《ブラジル》連続強姦容疑の政治学者を釈放=被害者女性が壮絶な犯行実態証言
4月に観光客を狙った冷酷な強姦事件が発生し、加害者の男が逮捕されたが1カ月も経たないうちに釈放された。事件が明るみになった後、勇気を出して同加害者を告発する被害者が次々に現れたが、恥ずかしさや恐怖が障壁となり事件解決を遅らせていると7日付G1サイトなどが報じた。 市議会議員元候補で政治学者ルーカス・ジョゼ・ジビ容疑者(35歳)は4月、リオ市で休暇を過ごしていた31歳の観光客を性的虐待し、自宅アパートに18時間監禁した容疑で逮捕された。二人は出会い系アプリで知り合い、4月3日にバーで落ち合った後、容疑者は女性を自宅アパートに誘った。 被害者の証言によると、アパートでキスをした後、容疑者は急に攻撃的な態度を見せ始め、彼女をレイプし脅し始めた。彼女は4日の午前2時~午後8時まで拷問され続け、食事も与えられず、眠らないよう薬物まで飲まされた。調書によれば性交の合意はなく、避妊具を使用せずに行われた。近隣住民に気づかれないよう大音量で音楽を流し続けた。 被害者の不在を案じた友人の一人が、携帯電話の位置情報から居場所を突き止めアパートに向かった。友人が「警察を呼ぶ」と男を脅したため、彼女はなんとか逃げ出すことができた。その被害者女性は当時を振り返り、「彼はどうやって私を殺すつもりかを話していた。私を細かく切り刻むとか、薬を盛るとか」と恐怖の瞬間を語り、「彼は私に薬物の使用を強要した。飲んだふりをしたけど、噛んで飲み込むまで確認された」と明かした。 ルーカス容疑者はサンパウロ州立大学で政治学の学位を取得し、ミナス・ジェライス開発銀行チーフスタッフや、ブラジル国際関係センターのディレクターを務めている。政治家と交流があり、市議会議員に立候補した過去を持つ。彼が教養とキャリアを持っていることで、被害者は信頼したのだと言う。 勇気を出して名乗り出た別の女性は、同容疑者を「社会不適合者」の「連続強姦魔」と評した。10年前に彼と付き合っていた女性は、彼にレイプされ続けたと明かし、「他の女性にはこんな辛い思いはさせたくない。彼は痛みが大好きなサイコパスだから自由にしてはいけない」と強調した。 加害者と短期間関係を持った別の女性は深いトラウマを抱えている。「彼は私のアイデンティティと人格を破壊した。彼が刑務所にいると知った時だけ穏やかに過ごすことができた。釈放されてからはベッドの横に常にナイフを置いて眠るほど、恐怖を感じている」と語った。 ルーカス容疑者には元恋人に対する家庭内暴力で、すでに2年間捜査を受けた過去があった。 リオ検察局は、観光客の事件に関連してルーカス容疑者の逮捕を要求し、彼を性犯罪者として分類した。彼は強姦、私的監禁、拷問、脅迫、名誉毀損の罪で起訴されている。しかし、裁判所は「疑わしきは罰せず」の司法原則から、容疑者が自由の身で判決を待つことを決定し、検察局は控訴した。容疑者が釈放されるに至った経緯について詳細は公表されておらず、捜査は現在も秘密裏に進められている。