衆院選与党惨敗なのに「691円高」「高市内閣」樹立への期待買い 石破内閣のうちに仕込みたい三菱UFJフィナンシャル・グループ
【株式フジ】 10月27日の衆院選で与党(自民党+公明党)は歴史的惨敗を喫し、衆院過半数を割り込む事態となりました。9月27日の自民党総裁選で党員票を最も獲得した高市早苗氏を選出せず、石破茂氏を総裁に据えた自民党に対する違和感や、いわゆる「裏金問題」、非公認候補者が代表の政党支部に2000万円が支給されたことなどが強烈に嫌気され、もともと自民党を支持していた有権者まで今回は離れてしまったと思われます。 【写真】万歳で祝福される中、本人は万歳せず硬い表情で壇上に立つ高市早苗氏 しかし、衆院選を受けた28日の東京市場で日経平均は「691円高」と大幅に反発しています。この動きを疑問視する声は多く聞かれますが、この動きを理解できるかどうかが「石破政権下の株式投資」のポイントとなります。 実は投資家はすでに石破首相を見限っています。したがって石破内閣が有権者からの厳しい目にさらされても、党内からの突き上げにあったとしても、目立って株を売ることはないでしょう。 投資家は「石破の次、マーケットフレンドリーな高市内閣樹立が近づいている」と考え、投資の軸足をサッサと移しています。石破氏には期待できなくとも、次期首相有力候補の高市氏ならば積極財政政策「アベノミクス2・0」を取り入れるだろう、ならば株価は一段高になる、とみているのです。 これなら、石破政権下の今は「株は割安だ」ということになります。なんとも皮肉な見方ですが、石破内閣を嫌気するよりも、その先にある高市内閣に対する期待が買いとなり、日経平均や個別銘柄の株価を押し上げています。 石破首相がジタバタすればするほど、マスコミや世論から袋だたきにあえばあうほど、株式市場では「高市氏への期待」が強まっていくのです。この視点は強く認識しておくべきでしょう。 石破内閣のうちに仕込んでおきたい銘柄は主力株です。まずはメガバンク株の「三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)」が挙げられます。全体相場が持ち上がるとき、メガバンクが先頭を走ることがあります。精密小型モーターの「ニデック(6594)」(旧社名日本電産)も半導体分野が伸長し、株価は出直り気配です。 (株式ジャーナリスト・天海源一郎) 当欄筆者の天海源一郎氏の最新刊『一問一答!株の超入門ドリル』(高橋書店)=写真=が発売中です。株の初心者向けに、市場の基本から銘柄の見つけ方、売買のタイミングの見極め方までをクイズ形式で学べる入門書です。