【ボクシング】フライ級で新潟向陽・伊原音瑠が初優勝「開志学園勢に勝てた」選抜北信越予選進出
<全国高校選抜ボクシング新潟県予選>◇13日◇最終日◇新潟南高ボクシング場 男子フライ級級決勝で、伊原音瑠(ねいる、新潟向陽2年)が吉田虎太郎(開志学園2年)に判定勝ちして初優勝した。 リング上で判定勝ちのコールを受けた伊原は無表情だった。吉田との打撃戦は3-2の接戦。それでも感情を表に出さず、胸の内で喜びをかみしめた。 「開志学園の選手2人に勝ててうれしい」。12日の準決勝では開志学園の仁部遥真(1年)に5-0の判定で完勝。4年連続で全国大会優勝者を輩出している強豪私学の選手を立て続けに撃破した。「公立校に入って開志学園の選手を倒す」。新潟向陽に入学当時の誓いをきっちりと形にして、初めて県大会を制した。 1回はリーチのある吉田のパンチに距離をつかめなかったが、2回から修正。「遠いところから右をかぶせた」と得意の右ストレートをタイミングよく合わせる。「自分から当てに行った」と、昨年の全国高校総体ライトフライ級でベスト16の相手と要所で1歩も引かずに打ち合った。太田玲監督(52)は「下の階級から上がってきた選手に、打ち合いで負けられないという気持ちもあったはず」と勇敢な戦いぶりをたたえた。 大淵小2年からキックボクシングを始めた。「パンチが苦手で強化したかった」と、キックボクシングの補強を意識し、新潟向陽でボクシング部に入部した。今は「ボクシングが楽しい。」と笑う。これまでの自己最高成績は昨年の県高校総体準優勝で、次ぎの全国選抜北信越予選(24から26日、新潟南高ボクシング場)が自身初の県外勢との公式戦。優勝すれば初の全国切符を手にする。「目標は全国優勝なので」。通過点の北信越、堂々と勝利のコールを受けに行く。【斎藤慎一郎】