40歳過ぎの【脚のむくみ・だるさ】。ただの疲れじゃなくても下肢静脈瘤かも?
「最近、ふくらはぎがだるくて痛い」「夜中に脚がつる」などの悩みはありませんか? 日本の女性は平均は一般的に50歳頃に閉経を迎えるといわれてきましたが、昨今の研究では平均値は52歳だとされています。閉経前後の5年間が更年期と定義されます。 この時期は、からだや心のさまざまな不調に悩む女性が多いようです。 【 表 】更年期におすすめな主な漢方薬 更年期女性のお悩みに「下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)による脚のだるさやむくみ」があります。 今回は、更年期の下肢静脈瘤による不調の改善法について「あんしん漢方」の薬剤師、清水みゆきさんに教えてもらいました。
しつこい脚のむくみ……血管も浮き出て見栄えが悪い!
真知子さん(50歳)は、2年ほど前から脚のむくみやだるさが続くと悩んでいました。 「飲食店で立ち仕事をしているので、多少の脚のむくみや疲労感は仕方ないとは思っていたんです。ですが、最近、脚の血管がボコボコと浮き出ていて見た目も悪く……」 気になりつつも、加齢のせいだろうとそのままにしていました。
下肢静脈瘤でまさかの手術に!?
そんなある日、夜中に突然、激しい脚の痛みとしびれが15分以上続きました。 「初めての経験だったので、慌てて朝一で病院へ行ったんです。すると、下肢静脈瘤と診断されてびっくり。医師からは手術をすすめられました」 受診した病院はすでに手術予約でいっぱいだったので、真知子さんは隣街の総合病院を紹介されることに。
下肢静脈瘤は更年期世代の女性は注意すべき病気
下肢静脈瘤は、脚の皮膚に近い静脈が太くなって瘤(こぶ)のように浮き出た状態をいいます。 血液が全身の臓器から心臓に戻るときに通る血管が静脈です。 下肢の静脈には逆流防止弁があり、立っているときも血液は静脈を通り逆流せずに心臓に戻ります。この静脈の弁が何らかの原因により機能しなくなると、うっ血を起こし静脈瘤を形成するのです。 下肢静脈瘤は、男性よりも女性に発症しやすく、妊娠や出産によって症状を進行させるとされています。 また、加齢によりふくらはぎの筋力が低下し、静脈の逆流防止弁の老化が進行するため、発症リスクが高くなる傾向にあります。さらに、女性ホルモンが減少する更年期は、末梢血管の血流が低下しやすくなるため、更年期の女性はとくに注意が必要です。 下肢静脈瘤は、直接、命に関わる病気ではありませんが、自然治癒は期待できません。 脚のむくみやだるさが続く、こむら返りを繰り返すといった場合は、「血管外科」もしくは「形成外科」を受診するようにしましょう。 つづきの【後編】では、下肢静脈瘤による脚のだるさの軽減に効く漢方は?…についてお話いただきます。
あんしん漢方/薬剤師・漢方薬生薬認定薬剤師 清水みゆき