【陸上】第一人者・岡田久美子「感謝の気持ち」胸に3大会五輪へ 藤井菜々子「強い気持ちで」/日本選手権20km競歩
◇第107回日本選手権20km競歩(2月18日/兵庫県神戸市・六甲アイランド) パリ五輪代表選考会となる日本選手権20km競歩を前日に控え、有力選手が前日会見に臨んだ。女子会見には岡田久美子(富士通)、藤井菜々子(エディオン)、園田世玲奈(NTN)が登壇した。 山西利和か池田向希か…パリ五輪切符をつかむのは!?“世界で最も熾烈な代表争い”日本選手権20km競歩 この種目の日本記録(1時間27分41秒)を持つ岡田は、リオ、東京に続いて3度目のオリンピックを狙う。 昨年のブダペスト世界選手権は35km競歩で代表入りしたものの、直前に腰を痛めて欠場。「今でも思い出すとつらい」とこぼすほど傷を負った。その後は11月中旬くらいまで状態が戻らず、引退も考えた。 それでも、「姿勢や身体のバランスを改善して、身体を柔らかく使うことを意識してきました。柔らかい筋肉をつけつつ強く、しなやかに歩けるように」と岡田。その成果から、元旦競歩では10kmで42分50秒の日本新樹立と結果も気持ちも上向いた。 初五輪のリオが16位、東京五輪は15位。「1個ずつしか上がらない厳しい戦い」なのがオリンピックだが、「3回目、今度こそという思いがあります」。度重なるケガなどを乗り越えて立つ選考レース。「支えてくれた方々への感謝の気持ちを持って、内定を取って恩返ししたい」と覚悟を語った。 ドーハ、オレゴンと世界選手権2大会連続入賞していた藤井。昨年のブダペストは「序盤から速いペースになってついていけなかった」と14位に終わった。 「猛暑で設定通り行けなかったり、途中で止めてしまったり、速いペースの練習ができなかった反省があるので、秋から冬にかけてスピード練習を重点的にやってきました」と語る。その結果、「余裕度も出てきた」と手応えを感じている。2大会連続五輪へ「強い気持ちを持って臨みたい」と語った。 岡田、藤井とも、派遣設定記録切りのためには「前半は1km4分25秒くらいのイーブンペースで行き、後半どれだけペースアップできるか」をポイントに置く。 現時点で派遣設定記録1時間28分30秒、参加標準記録1時間29分20秒の突破者はいない。派遣設定記録を切って優勝すれば即時内定。今大会でどこをクリアしてパリ切符をつかめるか。 昨年のブダペストは35km競歩で7位入賞を果たした園田。その後は「1ヵ月後くらいに疲労が来た」ことと、「坐骨神経痛」により「思うような練習ができなかった」と明かす。 歩けない時期もあったが、その間は「身体の各パパーツを丁寧に強化を図り、動きのバランスや歩型を改善する意識で取り組んできました」と言う。 遅咲きのウォーカーとして、世界選手権2度出場して結果を残してきたが、「オリンピックは特別なものというのは海外のレースで伝わってきましたし、私もずっとあこがれてきた舞台」。まずは参加標準記録を目指し、「最後まであきらめない」気持ちで歩ききる構えだ。 日本選手権20km競歩の女子は2月18日、朝10時35分に号砲が鳴る。
月陸編集部