【鳴門ボート・PGIマスターズチャンピオン】菊地孝平が十八番の快速攻で史上6人目の初出場V
鳴門ボートの「プレミアムGⅠ第25回マスターズチャンピオン」は21日、第12Rで優勝戦が行われ、1号艇の菊地孝平(45)=静岡=がインからコンマ02のトップスタートを決めて逃げ快勝し、昨年の井口佳典(三重)に続く史上6人目の初出場Vを達成。第15代名人(2014年、からつ)の金子良昭(59)=静岡=と史上初の〝師弟名人〟奪取で、来年1月のPGⅠ・BBCトーナメント(とこなめ)と、同3月のSGクラシック(若松)の出場権を手にした。2着は赤岩善生(愛知)、3着には寺田祥(山口)が入り、3連単1→6→2は2280円だった。 ◇ 巧腕ぞろいの頂上決戦でも、一枚上のスタート力を見せつけた。予選トップ通過から準優をただ一人逃げ切って絶好枠を手にした菊地は、5枠の松井繁(大阪)、6枠の赤岩が前ヅケにきても動じなかった。起こしは100メートル付近となったが、外5艇がコンマ20近辺の仕掛けだったのに対し、同02の快ショットを決めた。 「100メートル起こしは嫌いな場所ではないし、自信はあった。寺田(祥)君はまくる気満々だったし、腹をくくった。外のプレッシャーでいかされましたね。余裕があれば、あそこまで行っていない領域だった。スタートは少し行き過ぎたし、ギリギリで様子は見ました」 他艇からの重圧で集中力が高まり、さらに研ぎ澄まされたS勘で次元の違う仕掛けを披露。先マイ一気に押し切り、昨年の井口佳典に続く大会初出場Vを達成した。前節の児島72周年は予選18位通過からのミラクルVだったが、今回は王道スタイルでGⅠ連続優勝を飾り、「うれしいです。勝ててよかった」と表情を崩した。 師匠は2014年のからつ大会を制した〝第15代名人〟の金子良昭。師弟での名人位獲得は史上初の快挙となり、「金子さんも取っているし、歴代優勝者はそうそうたるメンバー。SGに近い雰囲気の中で勝てたことは自信につながった」と誇らしげに胸を張る。 今年の獲得賞金額は4984万円となり、トップの毒島誠(5325万7000円)と約340万円差の2位に浮上。9年連続13度目のグランプリ(12月17~22日、住之江)出場へ前進したが、「まだ年末のことを考えても仕方ない。浮かれることなく、目の前の一走一走に全力を尽くしていきたい」と謙虚な姿勢を崩すつもりはない。