「めちゃくちゃいいバッター」初実戦でポール直撃弾の西武新外国人アギラー。松井監督や同僚が感じた新4番候補のポテンシャルとは?
陽気な中でも実直に練習する姿は、松井監督の目にもしっかり留まっていた。 「練習に取り組む姿勢もそうですが、このキャンプでずっと、全てのメニューに入って常にやってくれている。そういうところもチームにとっては非常に大きいことだと思います」 試合後、宿舎に帰る前には、ボールを渡した野球チームの子どもたちが球場前でアギラーを待っていた。そんな彼らの求めに快く応じ、笑顔でサインする姿を間近で見た少年少女たちは、よりいっそう憧れの眼差しを向けていた。 そんなアギラーにも憧れの存在がいる。MLB通算3174安打を放ち、2012年には三冠王に輝いたほか、数多くの打撃タイトルを獲得。去年、21年間の現役生活に別れを告げたミゲル・カブレラ(40)。アギラーの母国ベネズエラ出身のスーパースターだ。 「本当に国民的なヒーローなので、僕もそうなれるように、ファーストの守備も含めて、自分のベストを常に尽くそうという気持ちでプレーしています。日本に来たことも、そういう思いがひとつあるのかなと思っています」 縁あってやってきた異国の地で、憧れの存在に近づくことができるのか。2021年まで西武でプレーした同じベネズエラ出身のエルネスト・メヒア(38)は、豪快な一発と時折ヒーローインタビューで見せる茶目っけたっぷりな姿が多くのファンを虜にしたが、試合結果だけではない振る舞いも含めて、メヒアの再来となれる可能性を大いに示した新4番候補の日本デビュー戦となった。 取材・文●岩国誠