《性犯罪と告発者潰し》被害女性の決死の挑戦で動かぬ証拠が手に入ったが、その後、世にも奇妙なことが起きた
〈《性犯罪と告発者潰し》マネジャーもエージェントもグル… 「ミーティング」の場で性被害に遭った女優のキャリアはその後どうなったか〉 から続く 【写真】この記事の写真を見る(2枚) 映画界の大立者、ハーヴェイ・ワインスタインによる性被害について調査を進めるジャーナリストのローナン・ファロー。しかし、被害に遭った女性たちはみな震え上がり、口を開きたがらなかった。その中に、勇気を奮い、爆弾証言を始めた一人の女性がいた。
「その胸は本物か?」
2015年3月、ミス・イタリアコンテストのファイナリストにも残ったフィリピン系イタリア人モデル、アンブラ・バッティラナ・グティエレスは、当初からワインスタインに屈しない姿勢を見せていた女性の一人だ。 とあるパーティでグティエレスに目を付けたワインスタインは、彼女に仕事の話をしたいと持ち掛けた。 履歴書と宣材写真を持ってワインスタインの事務所を訪ねたグティエレスがソファに座り、宣材写真をめくっていると、隣りに座るワインスタインの目が彼女の胸に釘付けになる。 「その胸は本物か?」と聞くやいなや、ワインスタインは覆いかぶさってきて胸をまさぐり、いやがる彼女のスカートの中に手を入れようとした。必死に抵抗するとやっと引き下がったが、ワインスタインは彼女に、その夜のミュージカル『ファインディング・ネバーランド』を見に来るよう命じた。 当時22歳だったグティエレスは事務所を退出すると、震えて泣きながらも、自身のエージェントを連れて警察署に出向いた。 捜査に前向きになった性犯罪特別捜査班の捜査官は一計を案じ、グティエレスが盗聴器を身につけてワインスタインと会い、証拠となる証言を採取したらどうか、と提案した。 これを聞いたグティエレスは、恐怖のあまり眠れなくなった。しかし、彼女は決断する。ワインスタインを止めたいと思ったのだ。二度と同じことをしないように。 「彼に逆らったら、将来が閉ざされると言われたわ。それでも、この男がやったことは間違っているし、ふたたび同じことをさせないために、自分のキャリアを危険にさらしてもいいと思った」
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