日本由来だった?「ザリガニ行こうよ!」「いいね!」上海ではこれからが旬
中国では、日本であまり食されない生き物もよく食べられます。特に、カエルが有名ですが、もう一つ代表的な食べ物はやはり夏場のザリガニでしょう。一番の旬は初夏から真夏にかけてですが、5月に入ってからは既に多くのザリガニが市場に並び始め、若者たちの間でもまたこの季節が来た、と話題になっています。
カエルに比べれば心理的には食べやすい
中国にいる日本人も、「ザリガニはちょっと……」という方も多いですが、実際のお味はいわゆる甲殻類の味で、養殖も進んでいるのでドブ臭さもないので、ひとつ壁を越えるとカエルに比べれば心理的には食べやすいです。 そもそも、日本語の「ザリガニ」の語源は、後ずさりする動きに由来して「しさる(退行する)カニ」が転化してザリガニになった、とされていますが、やはり印象としては「ジャリガニ」という、どうも汚らしいイメージによって敬遠されているかもしれません。 ですが、中国語で書くと「小竜蝦」:小さな竜の海老、と何の抵抗感もなく受け取れる名前です。こういった言語レベルから生まれるイメージによる違いも大きいのでしょう。
日本が1930年代から40年代に中国に持ち込んだ?
ちなみに、中国では多くの人たちが食べているので、ずっと昔からあるものかと思えば、意外にも日本が1930年代から40年代に中国に持ち込んだようです。 その当時の印象なのかは定かではありませんが、中国でも中高齢者以上はザリガニを食べる習慣がありません。実際に、街でザリガニを食べているのは80年代生まれ以降の若い世代しかいないのです。ある中国人女性に聞いてみると、「お母さんは、ザリガニは汚いから食べない」と言っていました。
2kg以上の量を注文することも
ザリガニの食べ方としては各店で味付けは異なりますが、基本は手で殻をむいてひたすら食べます。若い男性だと一人あたり2kg以上の量を注文することもあるようです。どの店にも各テーブルにはティッシュとビニール手袋が置いてありますが、このビニール手袋を付けたとしても結局スープが内側に染み込んできて手が汚れるため、最初から手袋を付けずに素手で食べる人も半数程度います。
かなり野生的な食べ物ではあるので、男友達でガツガツと食べる、かと思いきや女子会やデートで来ている人の方が多いです。実際に、中国人女性をデートに誘うとして「ザリガニ食べ行こうよ」と声をかけたとして、かなりアッパー層の女性でない限り、何の違和感もなく「いいね!行きたい!」という返事をもらえるでしょう。 5月はまだまだ序章、旬の真夏に向けてこれから一層ザリガニ熱が街中で盛り上がっていくでしょう。