近畿の警察官に滋賀県警草津署地域1課・溝川泰警部補 「失敗させない」若手育成に力
近畿2府4県の優秀な警察官をたたえる第138回「近畿の警察官」(産経新聞社提唱・滋賀県信用金庫協会など協賛)に、滋賀県警からは草津署地域1課地域指導係の溝川泰警部補(55)が選ばれた。33年8カ月に及ぶ警察人生のうち19年にわたる刑事部門での活躍や、その経験を生かした若手の育成能力などが評価された。 ■攻めの仕事にあこがれ 「父親が県警の警察官だった。一生懸命だった姿を見ていて、子供のころから警察官になりたいと思っていた」 平成3年、希望通りに拝命し、米原署勤務となった。刑事を志したのは同署の先輩の姿に憧れたからだった。 同年、先輩と管内の農村部を夜間パトロールしていたときだった。不審者を見つけ、職務質問。土蔵を壊して中の財物を盗み取る「土蔵破り」だった。初めての逮捕となった。 「刑事経験のある先輩は積極的な職務質問など攻めの仕事を常にしていた。自分もなりたいと思った」 刑事となった後は、数多くの事件を摘発した。 17年に大津市内で発生した車両運転中の女性を狙った連続強盗事件では、専従捜査員として約半年間、捜査にあたり、容疑者4人を割り出して逮捕。取り調べも担当し、余罪として関西3府県にわたる連続強盗事件を解決に導いた。 ■「妻には感謝しかない」 事件の発生は昼夜を問わない。プライベートでは、予定の変更・キャンセルはつきもので、一般企業に勤務する妻の真澄さん(55)には残念な思いをさせたことも多い。 米原署に勤務していた若手のころ、真澄さんと2人のクリスマスパーティーを予定していた。だが、夜に行方不明事案が発生し、流れた。こんなことは、よくあること。事件容疑者の取り調べが長引き、計画していた中国旅行を急遽(きゅうきょ)、キャンセルせざるを得なくなったことも。 「妻は理解してくれている。感謝しかない」 言葉少なに語るが、一語一語に心がこもっている。 ■長年の刑事経験生かす