優秀なコンサルタントが実践する「どんな場面でも評価される」方法
相手の期待値以上の成果を出す。常に出し続ける
コンサルタントというのは、基本的にはサービス業です。その基本は、相手のニーズを聞いて、それに応えていくことにあります。ですから、クライアントが何を求めているのかを把握することが、まず、何よりも大事です。そして、求められている中身がわかったら、次は、そのレベルにおいて、何がなんでも、相手の期待以上の成果を出す。これが、ビジネスのすべてです。 先ほどの例で言えば、「市場規模の数字を出すこと」がクライアントにもっとも求められていることでした。それ以外に関しては、さほど期待されていません。では、このなかで、どうやったら、「相手の期待を超え」、相手の満足を得られるのでしょうか? 市場規模の数字に関して100%の答えを出すこと。これが最低ラインです。もしここが90%の出来なら、その仕事は、失敗です。いくらおまけをつけて取り繕っても、全体の評価は決してよくなりません。逆に、そこさえちゃんと100%の答えをもっていけば、極論を言えばほかのことはゼロでも構いません。相手は期待していないのですから。 相手が何を、どのレベルまで期待しているかを見極め、絶対に外さない。そして、相手の期待値のちょっと上を常に達成していく。 「相手のニーズ、つまり、それぞれにどういう成果のクオリティを求めているのかをきめ細かく把握すること。そして、ビジネスというのは、その期待値のちょっと上を常に達成していくこと」 「相手の期待値がどこにあるのかを見極めて、絶対に外さない。そこだけは、相手の期待を上回る120%のものをもっていく」 多くのコンサルタントが語るビジネスの秘訣、それはつまり、相手の期待値を測り、いちばん重要な部分で期待を超えていくことです。
期待値を満たせないものは、安請け合いしない
相手の期待がどこにあるのか、どの程度までのものであるかを把握するためには、そのためのコミュニケーションが重要になってきます。一方で、ときには、相手の期待値そのものをマネジメントする必要がでてきます。つまり、期待値を下げてもらうのです。 ときには、相手の期待値を下げる、期待値のマネジメントも必要。 たとえば、相手がすべてにおいて100%を期待しているような場合。自社のリソースをはるかに超えるものを、実現不可能な期日とコストで求められるような場合。こうしたとき、決して安請け合いしてしまってはいけません。 常に、相手の期待値のちょっと上をいくことがビジネスの基本である以上、どんなに努力したところで、相手の期待値が絶対に超えられない、とあらかじめわかっている案件は受けるべきではありません。そういう場合は、本質的でない部分については期待値を下げてもらうように、事前にコミュニケーションをとっておくことも必要です。これが、期待値のマネジメントです。
大石哲之(作家、投資家)