生成AI時代のはじまり 私たちの身近に広がる「生成AI活用事例」
■商品パッケージからテレビCMまで いち早く生成AIを取り入れ話題に
飲料大手の伊藤園も、いち早く商品に生成AIを活用した企業の一つ。 伊藤園が販売している「お~いお茶カテキン緑茶」。今年9月にリニューアルされたパッケージは、生成AIが作った画像を参考にして、デザイナーが仕上げを行った。 「素案生成のスピード感には、驚きを隠せませんでした」。伊藤園の担当者はこう話す。これまでは人が3週間かけて、およそ10通りの素案を作っていたものを、生成AIは短期間でおよそ30通りもの素案を生み出したという。 さらに、伊藤園はテレビCMにも「生成AIタレント」を起用。視聴した人たちから、多くの驚きの声が届いたという。 一方で、生成AIタレントを起用するデメリットとして、有名なタレントを起用するのに比べると「インパクトが弱くなる」点や、「著作権侵害などのリスクに細心の注意を払わなければならない」点を挙げている。 生成AIを活用したCMやパッケージは世間の注目を集め、9月の出荷数量は前年同月比で1.6倍にも伸長した。今後の生成AI活用については「お客様の声を踏まえて検討させていただきます」としている。
■プロモーション分野での活用に広がり 人型ロボットPepperにも
一方、ソフトバンクロボティクスが提供している人型ロボット「Pepper」にも、生成AIを活用した新機能が2023年12月21日から搭載された。Pepperにテーマやキーワードを与えると、それに沿った30秒程度の曲を即興で作詞・作曲。Pepperが歌いながらダンスを披露する。 ソフトバンクロボティクスは「商品紹介の楽曲が、すぐに提供できるため、販促ツールとしての活用も可能」だとしていて、小売店などでの集客目的の利用を見込んでいる。
■身近に広がる生成AI活用 2024年は?
私たちの仕事や作業を格段に効率化してくれる生成AI。2023年は身近なところに生成AIの成果物を見ることができるようになった。そして2024年。生成AIは果たして、私たちの暮らしをどのように変えるのだろうか。