49歳・山本昌に緊急1軍昇格の追い風?!
中日のレジェンド、山本昌(49)が25日に由宇で行われたウエスタン・リーグの広島戦に先発、3回で40球を投げ、3安打1失点にまとめた。失点は、二回、先頭の下水流に宝刀・スクリューをライトスタンドまで運ばれたもの。「あそこまでボールを運ばれるのはキレがない証拠」と、山本昌は不満顔だったが、ボールを低めに集め130キロ台のストレートと変化球でタイミングを外していくピッチング術は冴えていた。3回は三者凡退。ファームで調整中の堂林は、ヒットを放ったが「ピッチングの上手さには脱帽です」と、8月11日に50歳となる、レジェンドに感服していた。 山本昌は、3月3日の教育リーグ、ソフトバンク戦で右膝に違和感を覚えて、たった1球で降板。痛めた場所が場所だっただけに、なかなかピッチングを再開できず、鳥取のトレーニングジムに通いながらリハビリを続けて18日の阪神戦でやっと今季初登板、2回を投げて復帰を果たした。 この試合でも、江越にソロアーチを浴びたが、中2日で21日のオリックス戦で1回を投げ、この日は、中3日で3回と、短い間隔でマウンドを踏みながら急ピッチで調整を進めている。次回先発予定は、中4日で30日の名古屋でのオリックス戦。 「まだ納得はできない。もっと腕を振れるようになっていかないと。次は4回から5回投げたい」。山本昌は、当初、「4、5回を2、3試合投げてから」と、自分なりの1軍昇格計画を口にしていたが、チームの先発台所事情が、山本昌をそうノンビリさせてはくれなくなっている。 バルデスが肘痛、岩田が結果を出せずに2軍落ち、明日、26日の広島戦には、2013年のドラフト1位の鈴木を先発させ、27日には武藤を使う予定だが、2人が結果を出せなければ、いよいよ先発投手がいなくなる。7月7日からは、6連戦が組まれていて、10日からはナゴヤドームでの3連戦。中日というチームは、日ハムと違い、人気や観客動員を選手起用に一切、反映させないチームだけに、山本昌人気が、追い風になるわけではないが30日のオリックス戦で内容をアピールできれば、50歳の誕生日を待つまでもなく、1軍緊急昇格の可能性もなくはない。 復帰戦で対戦した阪神DCの掛布雅之氏が、「山本昌というピッチャーは下でも点を取られれるけれど上でも同じピッチングができる。コンディションさえ良ければ、今すぐ1軍で5回、2、3点のピッチングはできるんじゃないか」と語っていた。急造調整だが、肩のスタミナさえできてくれば、49歳と11か月のピッチャーが1軍マウンドに立つ日が現実味を帯びてくる。そこで山本昌が勝利すれば、ジェイミー・モイヤーがロッキーズ時代に作った49歳5か月の世界最年長記録を更新することになる。 (文責・駒沢悟/スポーツライター)