「さらけ出すこと」で切り開いたNICO Touches the Wallsの未来
先月、惜しくも幕を閉じたYAMAHA主催のオーディションイベント「Music Revolution」。その前身である「TEEN’S Music Festival」に2004年に出場し、好成績を収めメジャーデビューの切符をつかんだバンドが「NICO Touches the Walls」(以下NICO)です。来年メジャーデビュー10周年を迎えるNICOですが、4月16日にワンマンでは初となるZepp Sapporo公演を開催、その前日にメンバーの光村龍哉さん(ヴォーカル&ギター)と古村大介さん(ギター)に新譜について聞きました。
3年間のドキュメンタリーのようなニューアルバム
今回のライブは、3月16日にリリースされたアルバム「勇気も愛もないなんて」を引っ提げてのツアーの一環で、札幌では10か月ぶりのワンマンライブとなりました。 「オリジナルアルバムとしては、3年ぶりのリリースです。なので、この間にリリースされたシングルは全部ミックスを変えて収録しました。3年となると、音の好みも変わるものですね。あまり意識はしていなかったんですが、今年に収録した新曲と3年前に収録したシングルでは、重心の置き方がまるで違うというか。ただ、楽曲に関してはこれまで以上にリアルな自分たちを書いてきた曲しかなかったので、この3年間の自分たちのドキュメンタリーのような作品になったと思います」(光村さん) 「最初は全部のシングル曲をリミックスすることは考えてなかったんですが、やり始めたら結局全6曲リミックスしていましたね」(古村さん) 筆者が特にお気に入りなのが、アルバムラストに収録されているタイトルトラック「勇気も愛もないなんて」。最後の最後でグッとくるミディアムチューンが収録されていることで、アルバム自体の緊張感が一気に増したような印象を受けました。 「もともとはスイートなイメージの曲だったんですけど、失恋をテーマにした歌詞だったり、哀愁感漂うサウンドだったり、自ずとブルージーな部分が出て来てしまいましたね。そういう意味では、無意識にビタースイートになった曲です。ライブで歌うと、そのときの気持ちやコンディションがダイレクトに反映されますね。自分たちの「ありのまま」が表現できているんだなということを知る曲にもなりました」(光村さん)