今永昇太、デビュー9戦目で防御率0・84はMLB史上最高…ピンチで美技の鈴木誠也に感謝「すごく助けられた」
◆米大リーグ カブス1×―0パイレーツ(18日・米イリノイ州シカゴ=リグレーフィールド) カブスの今永昇太投手(30)が、パイレーツ戦で7回無失点1四球7奪三振の快投。MLB全体で唯一だった0点台の防御率を0・84とさらに下げた。初先発から9戦目での防御率で、F・バレンズエラ(当時ドジャース)の0・91を上回り、MLB史上最高となった。今永に勝敗はつかなかったがチームは1―0でサヨナラ勝ちした。鈴木誠也外野手(29)は無安打だったが、好守で今永を支えた。 総立ちの歓声を浴びながら今永が腕を振った。初めて得点圏に走者を背負った7回2死一、二塁。8番のテーラーをカウント0―2と追い込み3球勝負を決断。宝刀スプリットチェンジで7つめの三振を奪って、ガッツポーズを繰り出した。 渡米後2度目の中4日。移動もあり、ナイター→デーゲームで実質“中3・5日”。「調整の時はそこまで疲れを感じなかったが、登板日になると2試合とも疲労度を感じている。でも、その中でうまく7回投げられた」。4回2死一塁では、抜ければ1点を失う右中間フェンス近くへの当たりを、鈴木が背走キャッチ。好守に拍手した今永は「鈴木選手にもすごく助けられた。今日勝つにあたって、彼のプレーはすごく大きかった」。仲間に支えられ、MLBで唯一0点台だった防御率は、登板前の0・96から0・84へと、さらに伸びた。 MLB公式サイトのサラ・ラングス氏のXによると、初先発から9登板目での防御率(1913年の自責点導入後)で、81年のバレンズエラを上回り、MLB史上最高となった。伝説的左腕超えにも「そういう記録があったんですねっていう感じ。自分自身に対しての記録は、あまり興味がないけども、そうやって偉大な、メジャーで結果を残してきた方々がいたんだなっていうのはすごく勉強になった」と冷静に受け止めた。 球場入りする前にダンキンドーナツのカフェラテを買うルーチンを明かした。「店員の反応は?」と問われ「スモールアイスラテか、ミディアムか、決まってない。コロコロ(注文が)変わるヤツだなと思われていると思う」。地元メディアを笑わせる余裕も見せたスーパールーキーが快進撃を続ける。 ◆伝説の左腕フェルナンド・バレンズエラ 1960年11月1日、メキシコ生まれ。80年9月にドジャースでメジャーデビュー。翌年、開幕戦で先発予定だったJ・ロイスの負傷により緊急先発し5安打完封勝ち。そのまま先発に定着し、MLB新人記録の開幕8連勝を挙げた。同年に球宴でも先発し、新人王とサイ・ヤング賞を史上初めてダブル受賞。ワールドシリーズにも優勝した。スクリューボールが武器。愛きょうある顔立ちで「フェルナンド・マニア」と呼ばれる熱狂的なファンを生んだ。
報知新聞社