イノシシ肉の給食好評 大房岬自然の家がジビエ理解に 南房総(千葉県)
南房総市の大房岬自然の家で、地元の館山ジビエセンターのイノシシ肉を使った給食が好評だ。都市部などから訪れる子どもたちが、ジビエに触れる機会となっている。 同自然の家は、青少年教育施設として、学校や一般などの団体を受け入れ、宿泊体験や野外活動の場を提供。今年度は、約1万4000人の施設利用者を数えている。 昨年4月から、同センターのイノシシの細切れ肉を仕入れて、メニューの一つ「茄子の味噌炒め」として、提供を開始。今年度の年間消費量は約120キロに達した。 24日は、明治大学付属明治高等学校・明治中学校の部活、応援指導班の40人が宿泊し実食した。松森琴音さん(同高校1年)は「初めてイノシシを食べたが、とてもおいしくて驚いている」と感想。 松田光央料理長は「1年を通して、思った以上に好評をもらった。ジビエを受け入れてもらえていると感じている」と手応えを話す。 同センターを運営する合同会社アルコの沖浩志代表によると、同社は今年度、初めて黒字化を達成する見込みで、同自然の家との取引量が最も多かった。細切れは、肉質が劣らないにもかかわらず、見た目が悪い、サイズが小さいなどの理由で部位取りできない肉も、商品として卸すことができる。このため、安定して細切れを購入する同自然の家との取引は、黒字化の一因になったという。 沖代表は「安定して購入してくれることはもちろん、何よりも、子どもたちがジビエを食べる機会をつくってもらっていることがありがたい」と話している。