女性の年収大幅アップ、空き家急増で治安悪化…2030年の日本と東京を襲う「衝撃的未来」
2030年の東京の「衝撃的な姿」とは?
同番組で興味深かったのは、2030年の東京をリアルに再現したドラマを放送したことだ。 AIロボット関連の営業をする30代独身女性の人生を通じて日本の未来、恋愛、食事、職業、住居などがどう変わるかを描くという試みだ。 ドラマで描かれた未来は次のようなものだった。 ・VR遠隔レストランが当たり前に!? ・再生医療で若い肌を取り戻す!?(実年齢60歳でも35歳くらいに見える人が増える?) ・30歳女子は若者、希少価値あり!? ・女性の平均年収が大幅にアップ!? ・稼げる職業が激変する!?(イケてる職業:第3位人工肉クリエーター、第2位仮想空間のコンテンツをつくる仮想空間創造師、第1位企業の機密漏洩を防ぐホワイトハッカー) ・50歳時の未婚割合男性28.0%、女性18.5%!? ・ロボットもパートナーの候補に!? ・(東京では)空き家が増えて治安が悪化する地域が!? ・東京のど真ん中で野菜を栽培!?(太陽光の代わりにLEDライトを使用) ・成長の速い魚を親に!「代理母親魚技術」(サバが産んだマグロが誕生する日も) ・培養技術でシマウマの肉も食べられる!? ・カキが超高級品に!?(二酸化炭素が増えることで養殖が難しくなる) ・AIで餌やりで管理してコスト削減!? ・地球温暖化でチョコレートが超高級品!?(2050年までカカオの木が絶滅する可能性) ・タワマンは一部を除き下落する!? ・海底マンション建設が進行中!? ・出産はリモート立ち会い!? ・先行き不安から「未来」はネガティブワードに!?
人口減少対策は「夏休みの宿題」?
ドラマの最後に流れたテレビ番組のニュースの内容は、あまりに衝撃的な未来だった。 空き家にいた大量のスズメバチに襲われそうになって逃げた還暦男性(再生医療で若返っている)が登場。高齢者ドライバーが運転する車とぶつかって事故を起こし、救急車を呼んだら「いまは救急隊員がいない」と言われて自力で病院に行ったら輸血用の血液がないので手術は無理です――いくつもの要因が重なり合う絶望的な内容だった。 このドラマを受け河合氏は「まだまだ日本は力を持った国、今から始めれば十二分に活性していく」とコメント。 はたして、今から日本は、日本人は、マインドを変えることができるか。 河合氏は『未来の年表 業界大変化』の中で人口減少を「夏休みの宿題」と形容している。 〈人口減少対策とは「夏休みの宿題」のようなものである。いつかはやらなければならないと頭では分かっていても、ついつい後回しにしがちだ。その変化は日々の暮らしの中では目に見えないほど軽微なためである。「まずは目の前の課題をこなすことが先だ」と言い訳しながら、時だけが過ぎていく。〉(『未来の年表 業界大変化』より) つづく「日本人はこのまま絶滅するのか…2030年に地方から百貨店や銀行が消える「衝撃の未来」」では、「ポツンと5軒家はやめるべき」「ショッピングモールの閉店ラッシュ」などこれから日本を襲う大変化を掘り下げて解説する。
河合 雅司(作家・ジャーナリスト)