「予断持たず柔軟」米株の派手な予測控える-モルガンSウィルソン氏
(ブルームバーグ): 米モルガン・スタンレーのチーフ米株ストラテジスト、マイク・ウィルソン氏は大胆な市場予測で過去数年知られるようになったが、米経済と企業業績を巡り疑念が渦巻く今は、むしろ水面下の機会を見いだすことに力を注いでいる。
ウィルソン氏は23日、ブルームバーグ・サーベイランスのインタビューで、「われわれは株の銘柄選びで現在、実に柔軟かつ予断のないマインドを保つよう努力している。最近4、5カ月はインデックスについてあまり話していない。『レラティブバリュートレード』に集中しようとしているからだ」と語った。
ウィルソン氏によれば、米企業、特に成長を昨年と厳しく比較されるテクノロジー大型企業にとって、業績達成のハードルは高い。同氏にとってより興味深いのは、決算への株価の反応だろう。
「非常に不均衡な経済がテーマであり、われわれがここしばらく持ち続けたテーマでもある。新型コロナ禍の後、多くの理由で予測不能な環境が続いている。次の段階がどうなるか見極めようとしている状況だと思う」と同氏は発言した。
S&P500種株価指数が24%急騰した昨年、ウィルソン氏は株価の下落を予想したが実現せず、同氏はそれ以降トーンを和らげた。 他のほとんどの人々が想定していなかった米株相場の総崩れを正確に予測したことで、2022年に同氏はウォール街で最も注目される1人となった。
原題:Morgan Stanley’s Wilson Is Steering Clear of Bold S&P 500 Calls(抜粋)
--取材協力:Edward Dufner.
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Alexandra Semenova, Lisa Abramowicz