「食器が多い」は実家の片づけあるある。大事なものを捨てずに整える収納のコツ
実家の片づけ。あれこれ口を出したり、勝手に捨てたりできなくて悩んでいる人も多いのではないでしょうか。「私の実家にも、食器がたくさんあります」と話すのは、整理収納アドバイザーのNoyoさん。親の思いを大切にしつつ、食器棚を使いやすく整理したNoyoさんの実例を詳しく教えていただきました。 【写真】ファイルボックスで豆皿もすっきり収納
実家の食器棚はまるでパズル。母しか元に戻せない
整理収納アドバイザー、ルームスタイリスト・プロの資格を持つNoyoさん。掃除の家事代行サービスも行うなど、全方面から家を整えるプロです。国際結婚を解消し、現在は子どもたちと一緒に実家の近くのマンションで暮らしています。 「昔から実家はものが多い家でした。以前の私は見た目をきれいに整えるのは得意でも、ものは多くて引き出しの中はぐちゃぐちゃ。でも帰国後に整理収納を学ぶようになってからは、使いきれる量や把握できる量を持つことの快適さを心から実感。実家の食器棚がどうにも気になって、母と一緒に整えました」 実家の母は器好き。大きな食器棚の中には、さまざまなタイプの食器が奥までぎっしりと詰まっています。 「一度食器を出すと、元に戻すのが大変。出した食器がどこに入っていたか分からず、母しか元に戻せません。手前の食器を出し、横にずらしてパズルのように出し入れしているような状態でした」
どれも大事なものだから、捨てずに整える方向へ
食器が好きな母。そしてものを手放すのにはパワーがいる。整理収納訪問サポートをとおしてその大変さを間近で何度も見てきたNoyoさん。大事に使っているなら、やみくもに減らさず整えればいい。そう思い、整理をスタートしました。 もちろん、ものは少ないほうが管理しやすいことはじゅうぶん分かっているので、食器棚のものを全部出して、不要だと判断したものは処分しています。
小鉢や豆皿は浅めのファイルボックスで小分けに
真っ先に手をつけたのは、小鉢や豆皿。 「とにかく数があり、種類や使うシーンで分類。きれいに分類しても、ただ重ねただけでは出し入れしにくさは変わらないためファイルボックスにまとめて入れることにしました」 使用しているのは、無印良品の「再生ポリプロピレン入りファイルボックス・スタンダードタイプ・1/2」。 「穴に指を引っ掛けて引き出せるし、浅いから中身が埋もれないので便利です」 少し大きめの器は同シリーズのファイルボックスの、ワイドタイプを活用しています。 ホワイトグレーはすっきりして見える反面、どこになにが入っているのか分かりにくくなるもの。ラベリングは必須です。 「ファイルボックスを並べた棚板は目線より下にあるので、ボックスにラベルをはると見えにくくなってしまいます。だから、かがまなくても立ったまま確認できる位置=棚板にラベリングを施しました」 まずは現状ある食器を見やすく、使いやすく。減らすのはその後でもいい。ものを捨ててすっきり暮らすのはもちろん気持ちがいいことだけれど、使う人に寄り添った片づけも大切なのだと気づかされます。Noyoさんの考え方、ぜひ参考にしてみてください。
佐藤望美