トヨタ2000GTが奇跡の復活 世界で“1億円”の注目度…「絶対に手離さない」
レストア費用は「部品や外注だけで、1000万円以上かな」
再整備にかけた費用は「部品や外注だけで、1000万円以上かな。私たち自分たちの工賃は含めていませんよ」。厳密に計算すると、とてつもない金額になりそうだ。 近年、米国のオークションで1億円を超える値段で落札されたことが大きな話題を集めた最高峰の旧車。間近で見学していたクラシックカー愛好家も「1億円レベルですからね。世界が見ているすごいクルマですよ」と舌を巻く。 実際に多額マネーを提示されての引き合いがあったことも確かだ。それでも、男性オーナーには鉄の信念がある。 「『部品取り車にはしない』『転売はしない』。これが前の所有者との約束です。だから私は絶対に手離しません」。はっきりとした口調で断言する。 走って維持するがモットーだ。引き継いだ時の総走行距離は約10万キロ。今は15~16万キロを数えている。 「まさにグランドツーリングカー。長い距離を走ることに適しているクルマなんです。本当に走りやすいですよ」と実感を込める。 歴史に残る名車の継承。長男を“後継者指名”する予定でいる。「もちろん、転売は絶対ダメという約束です」。 希少車をよみがえらせ、これほどの情熱をささげられる原動力とは。「やっぱりクルマが好きなんですよね。このトヨタ2000GTとは切っても切れない縁で結ばれています」。今日も元気に、爽快なエンジン音を響かせていく。
吉原知也