17シーズンぶりのレギュラーシーズン1位を達成した富士通レッドウェーブ、林咲希「ここからが正念場」
「このチームで勝ちたい」という思いが勝利につながる
富士通レッドウェーブは23勝3敗という素晴らしい成績でレギュラーシーズンを終え、3月30日より開幕する『京王Presents Wリーグ2023-24プレーオフ』に1位チームとして出場する。富士通がレギュラーシーズン1位通過でプレーオフに進出するのは、17シーズンぶり2回目となる。 上記のとおりほぼ負けなしのレギュラーシーズンを送ったものの、チームの中ではさまざまな紆余曲折、そしてステップアップを経てきた。日本代表のキャプテンの林咲希は「開幕当初はターンオーバーやチームプレーのミスが多くて、噛み合わなかった部分が結構ありましたが、中盤から終盤にかけて余計なミスが少なくなってきました」とシーズンを振り返る。 林は白鷗大卒業後、5シーズンにわたって在籍したENEOSサンフラワーズを離れ、今シーズンより富士通に加入。シーズン序盤のチームの「噛み合わなさ」は、自身のそれとも重なった。「最初は本当に富士通のバスケットに慣れるのがちょっと大変だったというか、不安もあって試合に臨んでいたところもありました」と明かし、「今はだいぶフィットしてきて、あまり考えることなくプレーできているので、プレーオフは楽しんで、チーム一丸となって戦えるように頑張っていきたいです」と続けた。 カギとなる選手は「全員」。「練習の雰囲気から大事なので、チーム全員で作り上げて、そのままの良い流れで試合に入りたい」と話し、シーズン中に成長を感じた若手としては、得点ランキング3位のセンター、ジョシュア・ンフォンノボン・テミトペの名前を挙げた。 「今シーズンはずっとテミトペ選手が大事になると思って、コミュニケーションの取り方などから工夫してやってきました。富士通はガード陣やフォワード陣に足がある選手が多いので、そこに彼女をうまく絡ませられたらもっともっとすごく良いチームになると考えてやってきました。プレーオフもテミには期待したいと思いますし、自分たちも思う存分プレーできるようにたくさんコミュニケーションをとってやっていきたいです」 富士通は2007-08シーズンに初のWリーグ制覇を達成して以来、その場所に戻れずにいる。現在のメンバーでリーグ制覇を経験しているのはENEOSから移籍した林、宮澤夕貴、中村優花のみ。林はチームメートに改めて伝えたいことを問われ、次のように答えた。 「一人ひとりが自信を持ってコートに立つことは本当に大事だと思っています。勝ち負けはすぐには決まらない、40分間を通して1個1個のプレーが本当に大事だと練習中から伝えてきて、それをみんなが分かるようになってきて、ルイさん(町田瑠唯)やアースさん(宮澤)を中心に若手を引っ張っていきながら、本当に良い雰囲気で練習できています。プレーオフではそれを全面に出して、『このチームで勝ちたい』という思いを全員が全面に出して戦っていけば、勝利に繋がっていくのかなと思っています」 17シーズンぶりの首位通過にも、気のゆるみはない。「ここからが正念場だと思っています。どのチームもやっぱり強いですし、簡単なゲームは1つもないので、しっかり気を引き締めてやっていきたいです」と語る林とチームは、レギュラーシーズンで培った強さを携えて、頂点を狙う。 富士通のプレーオフ初陣は、4月6日に武蔵野の森スポーツプラザで開催されるセミファイナルのシャンソン化粧品シャンソンVマジック戦。レギュレーションは2戦先勝方式。7日の第2戦を終えて勝敗が決しない場合は8日に第3戦が行われる。
バスケット・カウント編集部
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