アサイーがクリスマスや新年のパーティ・メニューで再評価!?
アサイーのカイピリーニャも人気
2024年、日本でもアサイーボウルで注目を集めた、ブラジルのアマゾン地域原産の果実アサイー。 アサイーボウルは、ぐるなびが毎年発表する「今年の一皿」でもノミネートされていた。ぐるなびによると、ノミネートの選定理由は「コスパやタイパを意識するデジタルネイティブ世代にとって、健康的な食材を手軽に摂取できるメニューとして、健康志向の若者を中心に人気が高まり、第二次ブームを迎えた」点と、「自分好みにカスタマイズでき、彩りが鮮やかで写真映えするスイーツとしてSNSで注目されている」ことが指摘された。 本国ブラジルでは、パラー州など、原産地であるアマゾン地域では、デザートとしてのアサイーボウルだけでなく、もともとは 甘味は加えず日常の食事の一品として食されているアサイー。 他の地域では日本や国外と同様に、果汁のジュースや、バナナなどのフルーツをトッピングしたアサイーボウルが、カフェや、アサイーテイラと呼ばれる専門店で、デザートメニューとして広く親しまれている。 サンパウロ州内陸部にあるサンホッキ市の地元メディア「へヴィスタ・サン・ホッキ」電子版が、このアマゾン地域特有の果実が、クリスマスや年末年始のディナーや家族のお祝いで、健康的なデザートとして注目が高まっていると伝えている。 同誌も、アサイーのポピュラーな消費の仕方で人気が高いのは、バナナ、イチゴ、マンゴー、キウイなどの新鮮なフルーツを添えたり、さらにはナッツ、グラノーラ、ハチミツなどを加えるなどしたデザートとしてのアサイーボウルや、ムースやアイスクリームが人おなじみだという。 加えて同誌は、アサイーを使ったドリンクもバリエーションが豊富だと伝えている。 例として挙げられているドリンクのひとつが「アサイー・スプリッツ」。スプリッツとは、イタリア北部ヴェネト州でよく知られる飲み物で、プロセッコ(この地方の名産品である白のスパークリングワイン)、リキュール、炭酸水で作られる。スプリッツが普遍的なんどは、イタリアとポルトガルからの移民が定着した後はワインの名産地として知られるようになったサン・ホッキらしい。 ここではアサイー・スプリッツは、アサイーのパルプ(冷凍果肉)、スパークリングワイン、オレンジジュース、ミントの葉を使うと紹介されている。 また、ノンアルがお好みの方のためには、ライムとココナッツウォーターを添えたアサイー・モクテルも紹介されている。 サンパウロ州サン・ベルナルド・カンポス市を本拠とするアサイーテイラ・チェーン店「アサイー・フォルモ-ザ」の創業者であるマルコス・フェヘイラ氏とヘモ・サンターナ氏は、近年、祭事の中でのアサイーの存在感が高まっているという。 「アサイーは、クリスマスや新年のディナーにとって、味に加え、新鮮さ、トロピカルな雰囲気を組み合わせたひとつの選択肢です。デザートとドリンクのいずれでもサプライズを感じさせ、お祝いの席に新しさを求めたい人たちに好まれるオプションとなっています」(マルコス・フェヘイラ氏) 「そしてもうひとつの提案は、アサイーのカイピリーニャです。これは、アサイーの特徴的な味が、ライムのさわやかな風味と ブラジルの伝統的なお酒カシャッサとの組み合わせが生む、創造的でおいしい飲み物です」(同) 「(クリスマスや新年の)メニューにアサイーを取り入れることで、手軽で栄養価の高い代替食品となり、典型的な夕食の中でバランスをとるのに理想的です。デザートとしても創作ドリンクの材料としても、このアマゾン生まれの果物は、伝統と革新、ブラジルならではの存在を組み合わせ、年末年始の集まりに新しい体験をもたらすことを約束します」(ヘモ・サンターナ氏) 「アサイー・フォルモ-ザ」が紹介する、アサイーのカイピリーニャのレシピは以下。基本的には、伝統的なカイピリーニャにアサイーを加えるというスタイル。砂糖の量は多めのため、お好みで調整してもいいかもしれない。 材料: アサイーパルプ 100g タヒチライム 1個 砂糖 スープスプーン2杯 カシャッサ 50ml 氷 適量 作り方: 1:背が高めのグラスの中に、4分割したライムと砂糖を入れる。 2:ライムをソカドール(すりこぎのような棒)で軽くライムを潰し、皮を潰してしまわないように果汁を抽出する。 3:アサイーのパルプを加えてよく混ぜる。 4:カシャッサを注ぎ、グラス一杯になるように氷を入れる。 5:すべての材料が混ざるように軽くステアする。 ちなみに、カイピリーニャは伝統的な本来の姿はライムのみが使われるが、キーウイ、イチゴ、パッションフルーツなど他のフルーツを使ったバリエーションもブラジルでは親しまれている。アサイーを使ったレシピも、クリスマス時期を問わずすっかり定着している。 サンパウロ州の健康飲料ブランド「ネイティヴ・ベリーズ」の栄養士アレッサンドラ・ルーリオ氏は「マリクレール」ブラジル版に、マンゴーを加えたアサイーのカイピリーニャを紹介している。 「アサイーは、一日を通してあらゆるメニューに取り入れることができる、多用途な食材です」というアレッサンドラ・ルーリオ氏が紹介する、「マンゴー入りアサイーのカイピリーニャ」のレシピは以下。記事の中でアレッサンドラ氏は自社の製品を記述しているが、もちろんアサイーのパルプは、日本でも入手可能な「フルッタフルッタ」など他ブランドのもので問題はない。 材料: アサイーパルプ(ピュアタイプ) 50g カシャッサ 50ml パッションフルーツ ピューレ 30ml アモーラ(キイチゴやブラックベリーに近いブラジルの果実)シロップ 10ml マンゴー 150g 作り方: アサイーとマンゴーを一緒にして浸し、カシャッサ、アモーラのシロップ、パッションフルーツのピューレ氷を加え、シェイカーでシェイクする。カイピリーニャグラスに注ぎ、ライムのツイストカットをグラスに飾る。 (文/麻生雅人)