伊藤沙莉、主演朝ドラ『虎に翼』に手応え「確実に代表作に」 兄・俊介含め家族も“差し入れ”で応援
日本初の女性弁護士役 自身と重なる点も「多い」
演じる主人公・寅子は、法律の世界にぴったりな人物だと語る。 「人間らしいけど動物的というか、すごく素直な人で、法律の世界という一番合っているところに入り込んでいったなと。何かが変わるときって興味や疑問からスタートするもので、『何でこれってこうなんだろう?』と思っている人じゃないと動かせないと思うので、持って生まれたその世界に行くべき人なんだなと演じていて思います」 そんな寅子と自身は似ている部分が多いようだ。 「私は寅子の言動に違和感なく、リンクすることが多いです。あそこまで猪突猛進という感じではないですが、思ったことは伝えたいほうですし、疑問を疑問のままで終わらすのは好きではないですし、重なる部分は多いと思います」 寅子は、石田ゆり子が演じる母・猪爪はるから「一言多い」と怒られることがよくあるそうで、演じながら自身も反省しているという。 「ゆり子さん演じるお母さんに『一言多い』『余計なことを言わない』と怒られることがよくあるんですけど、自分に言われているような感じがして(笑)。私も思ったことをその場で言ってしまいがちですが、時期を見て言ったほうがいいんだなと、寅子と一緒に反省しています」 ■役作りで大学の授業に参加「ありがたい時間でした」 事前の準備としては、法律に関する本や資料を読むだけでなく、明治大学で授業も受けたそうで、「4回受けさせてもらいましたが、大学に行ったことないのですごく楽しかったです」とにっこり。そして役作りにもとても役立ったと語る。 「寅子が『なんで!?』ってなるのが理解できる、自分でも『なんで!?』と思う法律が当たり前に存在している。昔は離婚したら権限がお父さんにしかない時代だったり、そういう背景を知れたのは、寅子の悶々とした気持ちを抱えるにあたってとても参考になりましたし、ありがたい時間でした」 法律に対するイメージも変わったという。 「法律は当たり前にあるものというイメージがありましたが、その成り立ちを知り、今の法律に至るまでにこんなに大変な時代があって、戦った人がいたという歴史はすごいことだと思いました。そういう人たちがいたから今があるということに対する感謝を持っているつもりでしたが、常に法への感謝を抱いていたわけではなかったので、こんなに戦った人がいたと知れたのは、役においても私自身の人生においてもよかったなと思います」 充実した日々を送っている伊藤は、「『虎に翼』は確実に代表作になると思います」ときっぱり。 「以前受けていたワークショップで、誰か人物を決めて、その人の人生を映画化するとしたら絶対に抜かしたらいけないシーンをやるというのがあったのですが、私の人生を描く上で絶対に外しちゃいけない期間だなと思っています」 そして、「『面白い』と思ってもらえる自信はあります!」と胸を張る伊藤。「作品としてもとても面白いし、役としても私っぽいところがある。そして、楽しいと思いきや挑戦的なところもあって、私自身が少しだけでも人間的に成長している気がします。人との関わり方やものの伝え方などを学んでいる期間でもあり、期間中に30歳になるという、いろんなことが折り重なった時間なので、生涯において大事な作品になると思います」と本作への熱い思いを語った。 ■伊藤沙莉 1994年5月4日生まれ。千葉県出身。2003年にドラマでデビュー。数々の作品で活躍し、ギャラクシー賞テレビ部門個人賞、ブルーリボン助演女優賞、エランドール賞新人賞、橋田賞新人賞など多数受賞。近年の主な出演作はドラマ『ミステリと言う勿れ』『拾われた男 Lost man Found』(22)、『シッコウ!!~犬と私と執行官~』(23)、映画『ちょっと思い出しただけ』『月の満ち欠け』(22)、『探偵マリコの生涯で一番悲惨な日』(23)、『ミステリと言う勿れ』(23)など。24年5月公開予定の映画「MIRRORLIAR FILMS Season5『変哲の竜』」に出演。 (C)NHK スタイリスト:吉田あかね ヘアメイク:岡澤愛子
酒井青子