12年11カ月ぶりに再稼働へ島根原子力発電所2号機「安全最優先で作業を」自治体は現地で臨界まで監視
山陰中央テレビ
中国電力は7日に島根原発2号機を再稼働させます。島根原発の稼働は、2012年1月以来12年11カ月ぶりで、中国電力には各方面から改めて万全の安全体制が求められています。 島根原発2号機の再稼働は、発電所敷地内の中央制御室でコントロールされます。7日はまず、原子力規制委員会から原子炉の起動を正式に認める「試験使用承認書」を受け取ります。これを受けて12月3日に核燃料の装填を終え、再稼働を待つばかりとなっている原子炉から核分裂を抑える制御棒を引き抜いて起動させます。そして約2時間で核分裂反応が持続する「臨界」に達する見込みです。 島根原発は、東日本大震災後に事故を起こした東京電力福島第一原発と同じ沸騰水型とよばれる原子炉で、この型式の再稼働は2024年10月の宮城県の女川原発に続き2基目となります。 2号機は、福島原発事故を受けて改定された新基準に基づいて、地震・津波などへの対策が強化され、防波壁の増強など64項目に及ぶ安全対策設備の工事が完了しています。ただ、中国電力には立地自治体の島根県と松江市をはじめ関係各方面から改めて万全の安全体制が求められています。 6日は政府から武藤経済産業大臣が、7日の再稼働についてコメントしました。 武藤経済産業大臣: 今後、電力需要の増加が見込まれる中で、電力供給構造の強靭化、電気料金の抑制、脱炭素電源の確保という観点から大変重要な案件だと承知している。中国電力におきましては、引き続き安全最優先で緊張感を持って作業を進めていただくようにお願いしていきたい。 また鳥取県は6日、原子炉起動に係る特別監視会議を開き、7日は島根原発に県の幹部職員を派遣して米子、境港両市などとともに原子炉の起動から臨界に達するまで現地で監視することなどを決めました。 こうした声を踏まえ中国電力も安全を最重点にした再稼働を強調しています。 島根原子力発電所・岩崎晃所長:(12月2日取材) ずっと原子力の安全を向上しないといけないと取り組んできた。これ以上できないくらい設備は用意してきた。しっかりと丁寧に(最終)確認して起動を迎えたい。 2号機の出力は82万キロワットで、発電は12月下旬に始まり、2025年1月上旬には営業運転を再開する予定になっています。
山陰中央テレビ