アフリカ研究の先駆者で文化人類学者の川田順造さん死去、90歳…無文字社会で長年現地調査
日本におけるアフリカ研究の先駆者として知られる、文化人類学者で東京外国語大名誉教授の川田順造(かわだ・じゅんぞう)さんが20日、誤嚥(ごえん)性肺炎で死去した。90歳だった。葬儀は近親者で行う。 【写真】文化人類学者の川田順造さん(神奈川県湯河原市で、2011年2月撮影)
東京出身。東京大で学んだ。西アフリカの無文字社会における慣例や伝承を対象に、長年現地調査した。文字を介さない歴史認識のあり方を、口頭伝承から明らかにした。ヨーロッパ、西アフリカ、日本という三つの文化を比較して考える「文化の三角測量」を提唱した。
東京外国語大のほか、広島市立大、神奈川大でも教え、2021年に文化勲章を受けた。
「悲しき熱帯」で知られるフランスの文化人類学者、レビストロースと交流し、同書の翻訳も手がけた。著書に「口頭伝承論」「無文字社会の歴史」などがある。