着用できるのはただひとり! 日本チャンピオンジャージを賭けた年に一度の大一番【Cycle*2024 全日本自転車競技選手権大会 ロードレース:プレビュー】
ここに、組織力の高いチームが強力エースを擁して挑む構図が見られそう。キナンレーシングチームは前回3位で2018年日本王者の山本元喜。愛三工業レーシングチームは同じく4位の石上優大と2021年日本王者の草場啓吾。シマノレーシングはツアー・オブ・ジャパン(TOJ)で見せ場を作った中井唯晶と石原悠希。同じくTOJで活躍したマトリックスパワータグの小林海。宇都宮ブリッツェンは谷順成。国内シリーズのJプロツアーでこのところ無双状態にある群馬グリフィン・金子宗平。これらのチームがどのあたりからレースを動かして、エースを前線へと送り出すかも大きな見どころ。
そして忘れてはならないのが、単騎で臨む2人のUCIワールドチーム勢、新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)と留目夕陽(EFエデュケーション・イージーポスト)だ。
2年前の大会では国内コンチネンタルチーム勢の徹底マークに遭いながらも、それを打ち破った新城の勝利はいまなお印象的。昨年は8位に終わったが、これまで同様にマークが厳しくなるレースへの対策はしっかり練ってくるだろう。最高の形で来るパリ五輪へと向かっていけるか。留目はヨーロッパでのプロ活動1年目ながらミラノ~サンレモなどのビッグレースを経験し、スケールアップして日本へと戻ってくる。両選手が果敢に仕掛けていくと勝負は急速に活性化する。
そのシーズンの日本王者を決める、年に一度の大一番。全日本選手権だけは、他とはまったく異なる独特のムードの中でレースが進む。それゆえに、予想を一段も二段も上回る思いがけない展開が待っていることも少なくない。しかも、本記執筆時点(6月19日)でのレース当日の天候は雨。気象コンディションもプロトンに影響を及ぼす可能性が高い。とにかく、この一戦ばかりは「最後まで成り行きを見守るしかない」のである。
なお、21日に実施される個人タイムトライアルは、前回ワン・ツーの小石と山本に岡を加えたJCLチーム右京の3本柱に、新城、留目、金子、宮崎泰史(キナンレーシングチーム)などが上位を争うことが予想される。
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