米アッヴィの統合失調症薬、2つの中期試験で効果示せず 株価急落
Puyaan Singh Bhanvi Satija [11日 ロイター] - 米製薬大手アッヴィの統合失調症治療薬「エムラクリジン」が2つの中期臨床試験で効果が示せなかったことを受け、同社株価は11日、12%超下落した。同薬は昨年同業セレベル・セラピューティクスを87億ドルで買収した際に入手した。この市場で競合する米ブリストル・マイヤーズ・スクイブのリードが拡大した。 エムラクリジンは幻覚や妄想など精神病の症状の急性悪化に直面する患者を対象にした試験で症状の程度を軽減できなかった。 アッヴィは主力の関節リウマチ治療薬「ヒュミラ」の売上高が類似薬との競争により急減する中、積極的に買収を進めている。 パイパー・サンドラーのアナリスト、クリストファー・レイモンド氏は87億ドルの「過ち」はしばらく投資家心理の重しとなりそうだと指摘した。一部のアナリストは、同薬の売上高が10億ドル余りに上ると予想していた。 ブリストルの統合失調症薬は9月に米国で承認を獲得。11日の同社株の終値は10.5%高の59.82ドル。 ブリストルとアッヴィの統合失調症薬は、震えや体重増加などの副作用の一部を伴わずに症状を軽減する新しいクラスに属する治療薬。 アッヴィは、今後の方針を判断するために試験データの分析を続けていると述べた。