京都に「ピカソ作品」など約130点、横幅4m超えの大型作品も
世界的画家・ピカソやシャガールなどの名作がそろう展覧会『キュビスム展―美の革命』が現在、「京都市京セラ美術館」(京都市左京区)で開催中。西洋美術に変革をもたらした「キュビスム」がテーマの大規模展は、日本では50年ぶりとなり、初来日作品を含む約130点を鑑賞できる。 【写真】横幅4m超え!? 日本初出品の大作 ■ そもそも「キュビズム」って? 「キュビスム」とは、複数の視点を1枚の絵に合成したり、自然や人などの対象を幾何学的に平面化された形で再構築する手法。これらの美術運動は20世紀初頭に、パブロ・ピカソとジョルジュ・ブラックによって創始され、伝統的な遠近法などを用いた「写実的」とは異なる表現の多様性が世界中に広まったといわれている。 同展では、世界屈指の近現代美術コレクションを誇るパリ・ポンピドゥーセンターの所蔵品を中心に展示。ポール・セザンヌの静物画やアフリカの仮面・彫像など、ピカソらが影響を受け、キュビスム誕生に重要な役割を果たしたという作品も並び、14章に渡って20世紀美術の進化を辿れるのが魅力だ。 ■ ピカソをはじめ、約40人もの作家作品 また、約40人もの作家の作品がそろうのは大規模展ならでは。見どころについて、担当学芸員は「いかにグローバルな芸術運動だったのか体感してもらえるのでは。運動の進化だけでなく、夢のようなカラフルな世界を描いたシャガールなど芸術家たちの人物像も発見してほしい」と呼びかける。 キュビスムの2大巨頭・ピカソ、ブラック作品はもちろんのこと、会場には日本初出品の注目作が約50点も登場。石灰石で作られたアメデオ・モディリアーニの『女性の頭部』をはじめ、横幅が4mを超えるロベール・ドローネーの大作『パリ市』は、エッフェル塔や3人の裸婦が大胆な構図で描かれ、華麗な色彩表現が目を引く。 一見モチーフが分かり辛い印象もあるキュビスム作品なだけに、見る側も視点や想像力を広げ、写真とは異なる自由な表現をみつけるのも楽しそうだ。同展は7月7日まで開催、月曜休館(開館日あり)。時間は朝10時~夕方6時。入館料は一般2100円ほか。 取材・文・写真/塩屋薫