人生大体ハードモードな「ガンダム」シリーズの主人公って最後まで悲惨なままなの?
愛する人と添い遂げた主人公も
●『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』シロー・アマダ 愛する人と無事に添い遂げた主人公も、もちろん存在しています。「シロー・アマダ」もそのひとりです。第11話「震える山(後編)」でシローは「アイナ・サハリン」とともに愛機「EZ-8」で、「ギニアス・サハリン」の駆るモビルアーマー「アプサラスIII」に特攻を仕掛け、相討ちに持ち込みます。しかしギニアスが最後に放ったメガ粒子砲でEZ-8の下半身は失われており、シローとアイナも行方不明となりました。 特別編『ラスト・リゾート』では、シローを探す「ミケル・ニノリッチ」と「キキ・ロジータ」の物語が描かれ、ラストに片足を失ったシローと妊娠したアイナが登場して両者の生存が確認されました。ふたりとも表だって生きていくのは難しい立場ではありますが、幸せなラストと断言してよいと思われます。 ●『∀ガンダム』ロラン・セアック 『∀ガンダム』の「ロラン・セアック」のラストは、悲劇ではありませんが悲恋とはいえます。 「ギム・ギンガナム」の駆る「ターンX」との一騎討ちに臨んだロランは、「∀ガンダム」に大きなダメージを受けながらも、ターンXの破壊に成功しました。その後、ギンガナムに刀での決着を挑まれたロランは、∀とターンXが作り出す「繭」にギンガナムが取り込まれるなか、刀を棄てて脱出、無事に地球へと帰還を果たしました。 その後、物語冒頭から縁深かったヒロインのひとり「ソシエ・ハイム」に引き留められながらも、地球で隠棲する月の女王「ディアナ・ソレル」に同行することを決め、穏やかな日々を過ごしている描写で作品は締めくくられました。
早川清一朗