プロとしてツアーデビュー戦に臨む神谷和奏（右）と夫でコーチの幸宏さん

　「女子ゴルフ・富士フイルム・スタジオアリス女子」（５日開幕、石坂ＧＣ＝パー７２） 【写真】アプローチ練習を行う表情は真剣そのもの 　女子ゴルフの富士フイルム・スタジオアリス女子は、５日に埼玉県鳩山町の石坂ＧＣ（６５３５ヤード、パー７２）で開幕する。昨年のプロテストに合格した神谷和奏（わかな、２２）＝ソニーネットワークコミュニケーションズコネクト＝がツアーデビュー戦を迎える。２歳の長女を持つツアー史上初の“ママさんルーキー”が、今週はバッグを担ぐ夫の幸宏さん（３６）と二人三脚で挑み、愛する娘のために奮闘を誓った。 　桜咲く季節に、新たな門出を迎える新人がいる。昨年１１月のプロテストに合格した神谷和は、今週がツアーデビュー戦。ただ、普通のルーキーとは違い、異色の経歴を持つ。プロテスト前に出産を経験している、ツアーでは史上初の“ママさんルーキー”だ。 　「すごくワクワクしていて、今の段階ではあまり緊張はないです」。今週は、コーチで夫の幸宏さんがキャディーを務める。２０２１年９月に生まれた長女・咲凜（えみり）ちゃんも、神谷和の母に面倒を見てもらいながらツアー会場に帯同しており、家族総出でデビュー戦に臨む。 　夫婦二人三脚での作戦は「お互い気持ちを抑えて、地味にコツコツ積み重ねていけたら」という。２２年４月の全米女子オープンの予選でも担いでもらったが、予選通過の可能性も見えた最終ホールで、夫の方が感極まって泣きそうになっていた。舞い上がる夫を尻目に気持ちを落ち着けたが、２人とも熱くなっては足をすくわれる。今週は互いに冷静なプレーを心がけて、目標の予選通過を目指す。 　今週の予選通過で得られる賞金の使い道については、まな娘のために使う予定。欲しいのは着せ替え人形の「メルちゃん」「ぽぽちゃん」。「娘はまだ理解してないと思いますけど、少しでも早くテレビに映って『これママだよ』っていう姿を見せたい」。新人ママがツアーで奮闘する。 　◆神谷和奏（かみや・わかな）２００１年１０月１日、千葉県富里市出身。旧姓羽藤。プロゴルファーの兄と姉の影響で３歳からゴルフを始めた。わせがく高を卒業後、２１年２月に幸宏さんと入籍。同年９月に娘の咲凜ちゃんを出産した。プロテストは２３年１１月に５度目の最終テストで合格した。ソニーネットワークコミュニケーションズコネクト所属。１６５センチ。