琉球大学病院が移転 高度・先進医療の提供と人材の育成が新施設で始動
沖縄テレビ
西原町にあった琉球大学病院は6日、宜野湾市に移転して外来診療をスタートさせました。高度・先進医療を患者に提供するほか、医療水準の向上に向け人材の育成が新たな施設で始まっています。 崎原望カメラマン: 西普天間住宅地区の跡地に移転した琉大病院ではきょうから外来の診療が始まっています 地上14階建て、病床数は620床。西原町からの移転を完了させ、外来診療を開始した琉球大学病院。質の高い医療を提供するとともに、地域・社会に貢献する優れた医療人を育成する基本理念を掲げる県内唯一の大学病院の新たな拠点です。 県内で初めて導入される「ハイブリッドER」は、一つのベッドで診察やCT検査、治療や手術を行うことができ、屋上にはヘリポートが設置され災害時の迅速な医療活動や県全域の救命医療の充実を図ります。 琉球大学・大屋祐輔病院長 高度だけじゃなくて、先進的なそして治療開発もしっかり行っていくということがミッションというふうに考えております。 小児科の待合室には県出身のイラストレーターpokke104さんが「病院に通う子どもたちが早く元気になってほしい」との思いを込めて手がけた沖縄の生き物たちの壁画アートで彩られています。 外来診療の開始を前にした1月4日、入院患者85人を新たな病院へと移送しました。 山城志穂記者: 入院患者を乗せた救急車が新しい琉球大学病院に向けて出発しました 約8.5キロの距離の移動は、他の病院からの応援も合わせて20台の救急車、15台の福祉車両を使って行われました。 那覇市与儀にあった琉球大学病院は1984年に西原町に移転しました。 建物の老朽化に伴い建て替えを含め検討していた琉球大学は、西普天間住宅地区跡地への移転を計画。2014年アメリカ軍施設の跡地利用のモデルケースや、最先端の医療施設の集積地として注目を集めるプロジェクトでした。 360人の医療従事者がかかわって、約5時間で新病院への入院患者移送は無事終了しました。 元の病院では1日に1000人程の外来患者を受け入れていましたが、外来診療初日の予約は250人ほどに減らしたことで、大きな混乱はありませんでした。 一方、敷地内では職員の駐車場の整備が開院に間に合っていない場所や、国道58号線からアクセスできる道路の整備も完了していません。 病院周辺では職員が出勤する朝の時間帯で一時、車の渋滞が発生したということです。 琉球大学大屋祐輔病院長: 交通整理員を人員を出して、しっかり困らないようにというふうに考えております。しっかり対応ができるような体制というのを整えていきたいというふうに考えております。 開通が遅れている国道58号線から病院に繋がる市道23号線は、2025年3月末までに開通予定です。 琉球大学病院は今後、県内初となる高度救命救急センターの設置を目指すとともに、人材育成や医療水準の向上に取り組んでいきます。
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