大分市の児童虐待相談、過去最多1993件 23年度「市民意識の高まりが一因」
2023年度に大分市子ども家庭支援センターに寄せられた児童虐待の相談件数は、前年度より462件増の1993件で過去最多となった。市は「虐待に関する市民の意識が高まっていることが一因」と分析。虐待防止に向け、支援を必要とする世帯へのサポート体制を強化する。 市によると▽心理的虐待 1016件(前年度比217件増)▽身体的虐待 565件(同153件増)▽ネグレクト 400件(同91件増)で性的虐待以外は、統計を始めた06年度以降最多となった。 虐待の程度は、全体の8割ほどが「軽度」(836件)と「中度」(778件)だったが、命の危険がある「最重度」は前年度から4件増の17件(0・9%)、医療を必要とする外傷があるなどの「重度」は同23件増の103件だった。 虐待者別では、実母(1089件)と実父(808件)で約95%を占める。子どもの年齢別では、小学生が761件と最も多く、3歳未満(392件)、3歳以上の未就学児(391件)と続いた。 相談が寄せられた経路は、児童相談所が833件と最多。学校への相談も前年度から98件増の415件。市子育て支援課は「市民が早い段階で関係機関に相談してくれている結果」とみている。 市は4月から、母子保健と児童相談福祉の知識を持つ「統括支援員」を配置し妊娠・出産から子育てまでの相談に一体的に対応する体制を整えた。同課は「子どもはもちろん、保護者を含めた家族全体の支援に力を入れたい」と話している。