「子どもが高校生なのに」定年65歳時代…現役世代の「若年性認知症」は早期治療で改善可能な場合も
40代、50代の「働き盛り」で発症…ヤングケアラーの要因にも
認知症といえば高齢者の病気と思いがち。しかし、65歳未満で発症する若年性認知症の人も毎年4万人近くいるという。 【予防食リスト】インドでは、認知症の人が少ない…!?認知症から逃げるには週に3回カレーを食べよう 「数としては、高齢者の100分の1ですが、働き盛りの人が発症するわけですから、たいへんさは高齢者が認知症になったときとは比べものにならないほど。 40代、50代であれば子どもは高校生だったり、大学生だったりしますが、経済的な理由で学校に通えなくなるケースもありますし、最近話題になっているヤングケアラーになることもあります」 こう言うのは、メモリークリニックお茶の水院長の朝田隆医師。朝田医師のクリニックには全国から100人ほどの若年性認知症患者が通ってきているという。若年性認知症を発症するのは男女半々。 認知症の治療方法は確立されていないという。若くして発症しても回復する見込みはないのだろうか。 「認知症とは、神経変性疾患、脳血管疾患その他の疾患により日常生活に支障が生じる程度にまで認知機能が低下した状態と定義されています。 アルツハイマー型が有名ですが、認知症の原因は70以上あると考えられています。その中には治療可能なものもあるんです」 ◆「治療可能」な認知症もある 朝田医師によると、正常圧水頭症、甲状腺機能低下症、てんかん、そしてビタミン不足などの病気でも認知症と同じ症状が表れるのだとか。 「病気が原因になっているのかどうかは検査すればわかります」 テストをしたり、MRI検査や血液検査など、さまざまな検査を行うことで病気が判明したら、あとは手術をするなり、薬を飲むなりすれば、認知症の症状は改善する。認知症の症状が出たからといって、「もうダメだ」と絶望することはないのだ。 「最近ではADHDも認知症の症状を表すことがわかってきました」 ADHDとは「注意欠陥多動性障害」といい、注意力が散漫で忘れ物やなくしものが多いという特徴がある。 「それまでは努力でなんとか過ごしてきたのが、40代、50代になると物忘れをしたり、不注意が目立つようになる。それで認知症ではと思って来院する方が増えています」 ADHDであれば、薬で治療することができるのだとか。