米国インフラ関連株、再決起 NYダウ”驚異の上げ”が支援 注目の日本株は?
米国株が驚異的な上昇を続けている。主要30銘柄で構成されるNYダウ工業株30種指数は現地3月1日(日本時間3月2日)、終値が2万1115ドルと前日比303ドル高を記録。史上初の2万1000ドル台に駆け上がった。2月28日に行われたトランプ大統領による上下両院合同会議での演説で 【連載】証券ジャーナリストが注目する 気になる株 「我々は米国経済のエンジンを再起動させなければならない」(We must restart the engine of the American economy)として、大型減税や大規模なインフラ(社会基盤)整備に向けた施政方針を表明。トランプ氏の「やる気」に呼応して、株式マーケットは奮い立つような上げっぷりを見せた。 NYダウは2月10日以降、実に30年ぶりとなる12日営業日連続高を記録し、その後、2月28日に一日だけ下落したものの、すぐに猛烈な勢いで走り出すという異例の展開となっている。もちろん、こうした動きは日本株にとっても強力な追い風だ。特に、演説で注目された「1兆ドル(約113兆円)のインフラ投資」に関連する銘柄群が一段とうねりを増す可能性が出てきた。(解説:証券ジャーナリスト・神田治明)
◇ ◇ トランプ大統領は今回の演説で、米国のインフラが老朽化に加え、オバマ政権下で中東へ過度に資金を傾けたことによる対応の遅れから「ぼろぼろになった」と指摘。そのうえで議会に対し、「米国のインフラに1兆ドルの投資を生み出す法案の承認」を強調した。1兆ドルというインフラ投資構想それ自体には新味はないものの、株式マーケットでは具体的な計画推進に向けた“本気度”が確認できた、として一気に見直しムードが広がっている。 米国株式市場では建設機械メーカーの王者であるキャタピラーがインフラ関連の代表銘柄。では、日本株ではどうか。主要関連銘柄として、大手証券がリストアップしている「米国のインフラ投資に関連する日本企業」として挙げられているのは、コマツ(6301)、日立建機(6305)、信越化学工業(4063)、太平洋セメント(5233)、住友金属鉱山(5713)、三菱マテリアル(5711)、新日鉄住金(5401)、JFEホールディングス(5411)など。