【山口県】[周南市]野犬保護へ譲渡補助金 不妊去勢手術費も拡充
山口県周南市は新年度予算の野犬対策事業費に初めて「野犬譲渡活動費補助金」100万円を計上し、「犬猫不妊去勢手術費」を倍増させて210万円にした。これまで野犬の増加防止に力を入れてきたが、野犬の保護活動へ大きく舵を切った。 同市ではスポーツ施設がある周南緑地公園で野犬が増えて野犬の群が歩き回り、全国的な話題となった。このため、藤井律子市長の1期目の当選後、市は県と連携した野犬対策に力を入れ、野犬が増える要因となっている公園などでのむやみなえさやりを防ぐための監視や、野犬の捕獲に取り組んできた。 野犬の捕獲、保護は県周南健康福祉センターが担当して年間約500頭を捕獲し、同センターで「里親」を見つけてきたが、実際には防府市で野犬のシェルターを運営している団体が引き取って「里親」が見つかるまで飼育することが多かった。しかし、このシェルターも収容できる野犬の数に限界があり、市民の保護団体が周南市内に新たなシェルターを建設した。 この動きもあって今回、市が補助金を新設した。補助金は市内の団体であることなどの要件を付して申請を受け付けるが、要件は予算の可決後に公表する。 犬猫不妊去勢出術はこれまで家庭で飼育している犬、猫が対象だったが、これを拡充して譲渡されてこれから飼育する場合も対象にする。むやみなエサやり防止の監視や、野犬が住みづらくするための草刈りなども続ける。