NHKドラマ「あんぱん」発表会見を行った今田美桜（左）と北村匠海（撮影・中島郁夫）

　NHKは26日、都内の同局で会見を開き、25年前期の連続テレビ小説「あんぱん」の柳井嵩（やない・たかし）役を、北村匠海（26）が務めることを発表した。北村は今作が初めての連続テレビ小説出演。ヒロイン役の今田美桜（27）も出席した。 【写真】北村匠海と腕を組むヒロイン役の今田美桜 　北村は「嵩さん」の声かけで登場。「すごく長い間緊張していました。今日、この日が訪れることを」と目を輝かせた。過去には広瀬すずがヒロインを務めた「なつぞら」のオーディションに挑戦した。「当時はご縁がなくて、朝の時間に僕の顔は合わないのではないかと思っていました。今回、お話をいただいてとてもうれしかったです」と笑顔を見せた。 　続けて「10分後に命を落とすかもしれない。だから連続して日々を生きることが僕の日頃のモットーとしてある。それをライブのMCでひとり語りしていたことが、今回の出演のきっかけと言われたことがとても印象的でした。長い間、一つの作品と向き合い続け、全うすることを感じながら、みんなと時間を過ごせたらと思います」と意気込んだ。 　今作は「アンパンマン」の生みの親、漫画家やなせたかし（本名・柳瀬嵩）さんと小松暢さん夫妻の半生がモデルとなる。戦前、戦中、戦後の時代を生き抜き、“逆転しない正義”を体現した「アンパンマン」を生み出すまでの愛と勇気の物語を描く。今田はヒロインとして、やなせさんの妻にあたる朝田のぶ役を演じる。 　北村に先立ち、今年2月にヒロインを務めることが発表された今田は応募者3365人の中からオーディションで選ばれた。北村との夫婦役に「何度も共演をしているんですが、北村さんが柳井嵩さん役と聞いた時に安心でしかなかった。やなせさんと小松さんのように、温かい夫婦を描いていけたら良いなと思います」と期待を込めた。 　2人は、今田のヒロイン発表の数日前にパリで行われたファッションウイークの帰りの機内で出くわしたと明かし、北村は「その時に漠然と一緒に何かまたやれると。巡り合わせがあってホッとしました。これで6度目の共演ですが、夫婦役ですので助けられる瞬間も、まぶしくて見られない瞬間もあると思います」とかみしめた。 　また北村は「保育園でなじめない時間はアンパンマンに助けられた」とも話し「アンパンマンが好きだけど、ジャムおじさんも好き。あんなおじさんがいたらいいなと思っていました。それからしょくぱんまんは人生で初めてかっこいいと思ったかもしれない、憧れが強かったですね」と会場を盛り上げた。 　制作統括を務めるNHKの倉崎憲氏（36）は「昨晩は企画書のメールを見返しながらいろんな思いが込み上げてきました。おふたりに会見の場で登壇していただいて、発表したいという夢を持って今日に至ります」。現段階では放送初週は子役、10代後半をめどに本役を想定しているという。北村について「実際に12月上旬にDISH／／のライブ映像を見ていたんですが、彼の言葉が多くの人を揺さぶっていた。年齢以上の思考の深さに驚きました」とした。 　連続テレビ小説は1961年4月から始まり、「あんぱん」で112作目。現在は「虎に翼」が放送中で、女優の伊藤沙莉（29）がヒロインを務めている。24年後期は橋本環奈（24）ヒロインの「おむすび」が放送されることが決まっている。 　◆北村匠海（きたむら・たくみ）1997年（平9）11月3日生まれ、東京都出身。08年にNHK「みんなのうた」などでデビュー。17年「君の膵臓をたべたい」で主演に抜てきされ、第41回日本アカデミー賞新人俳優賞など授賞。ほか映画「君は月夜に光り輝く」「東京リベンジャーズ」シリーズ、「とんび」など。ドラマも「仰げば尊し」「教場」など出演多数で、現在もTBS系「アンチヒーロー」出演中。また11年12月に結成したDISH／／として15年に日本武道館公演を行い、「猫」がヒットした21年にNHK紅白歌合戦初出場も。