#05 闇に光る眼差し
2008年5月、リベリアの首都モンロビア郊外にあった「ディクシービル子供の家」には、聾唖の子供達50人余りが暮らしていた。その多くが、障害のために親から見放されたか、戦争で親をなくした孤児達だ。 部屋にはぼろぼろになったスポンジマットレスをひいた古い2段ベッドがいくつか置いてあるだけ。本や遊び道具などもなく、子供達はただ生かされているだけのような、劣悪な環境だった。国外からの教会の寄付でなんとか食費をまかなっていたが、それももう当てにならないと施設の長が嘆いた。それ以来、ここに戻る機会はなかったが、ふと彼らの眼差しを思い出すことがある。あれからあの子供達はどうなっただろう?