中三閉店の弘前土手町 買い物難民を手助け/自宅に商品お届け 商店街活性化にも
百貨店中三弘前店が8月末に閉店した青森県弘前市土手町商店街で、買い物に苦労する高齢者など“買い物難民”を助けようと、同市の草刈静香さん(50)が17日から買い物代行サービスを始める。スーパー、ドラッグストアなどから生鮮食品をはじめ生活用品、衣類、雑誌などを幅広く注文できる。 草刈さんは中三閉店後、高齢者が土手町のコンビニエンスストアで野菜やおかずを籠いっぱいに買い求めたり、近所の人に買い物を頼んだりする様子を見聞きした。土手町で生まれ育った恩を返したいとの思いで、買い物支援と同商店街の個人店の売り上げ増を両立する策を考えた。 草刈さんは旧弘前店近くの空き店舗で14日、伝統工芸品ブランドを扱う小売店「草邑(くさむら)」を、3人のスタッフと共に開業する。小売り事業の傍ら、配達希望日の前日午後2時までに注文を受けた商品を指定の店舗で購入し、注文者に届ける。 同商店街の個人店も買い物代行の対象店舗に含まれるため、商店主も恩恵に期待する。菊池薬局(菊池清長社長)は中三閉店後、売り上げが2割ほど減少。菊池社長は、土手町を訪れる目的がなくなった人が一定数いると推察し「足が遠のいてしまったお客さんがサービスを通じて再び商品を買ってくれれば」と願う。化粧品専門店「天香堂」の小川歩店長は「買い物する人を増やす取り組みはありがたい。ともに認知度を上げていきたい」と話した。 「土手町でできることはまだある。まずは生活の中に土手町を組み入れてもらいたい」。草刈さんは活性化への思いを語った。 配達エリアは店から半径3キロ以内で一度に注文できるのは3店舗まで。配達料込みの代行料は3回で5500円、初回から40日間有効。注文、問い合わせは草邑の電話、ファクス(0172-22-6847)またはホームページへ。