１月１日時点の公示地価（商業地）が最も高かった「鹿児島市東千石町１３の１９」付近。電車通りを挟んで「センテラス天文館」がある

　国土交通省が２６日発表した２０２４年１月１日時点の公示地価は、鹿児島市の住宅地で変動率の平均が前年比０．７％、商業地で０．８％それぞれ上昇した。いずれもプラスは３年連続。県全体は住宅地、商業地ともそれぞれ２６年連続、３３年連続のマイナスで、都市部と地方の二極化が進んでいる。県内の全用途はマイナス０．７％で３２年連続で下落した。 　県内３５市町の２９１地点（住宅地１９３、商業地９３、工業地４、宅地見込み地１）を調べた。調査した不動産鑑定士によると、鹿児島市の商業地はＪＲ鹿児島中央駅や千日町、高麗町（市交通局跡）の再開発に伴い、微増が続いた。 　鹿児島市以外で住宅地がプラスとなったのは、前年と同じ奄美市、姶良市、瀬戸内町、龍郷町。商業地は奄美市が上昇に転じ、西之表市と瀬戸内町が前年に続きプラスだった。 　上昇率の県内トップは、住宅地が龍郷町瀬留玉里の３．６％で、１平方メートル当たり１万７２００円。奄美大島のリゾート地に近く、需要が高まっている。商業地は奄美市名瀬入舟町１４の１５の３．２％で１６万２０００円。世界自然遺産効果で好調な観光産業、近隣へのマンション、ホテル建設で上昇した。

　馬毛島の自衛隊基地建設で作業員が急増している西之表市も商業地２地点が１．１～２．０％上昇した。 　県全体の平均価格は、住宅地４万３５００円（マイナス０．６％）、商業地１２万９３００円（マイナス０．８％）。鹿児島市は住宅地９万３６００円、商業地２９万１６００円。 　最高価格地点は住宅地が鹿児島市西田２の１６の２９で２６万４０００円。商業地が鹿児島市東千石町１３の１９で１１５万円。それぞれ２．３％、０．９％上昇した。 　下落率１位は住宅地が枕崎市宮田町のマイナス４．１％、商業地が枕崎東本町でマイナス５．１％。人口や入り込み客の減少が響いた。 　工業地４地点、宅地見込み地１地点はいずれも鹿児島市にあり、それぞれ１．５％、１．６％の上昇。