東京・多摩森林科学園で桜が見ごろに 緑色の桜「ギョイコウ」など
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森林の研究機関である多摩森林科学園(東京都八王子市)で、緑色の花を咲かせる「ギョイコウ(御衣黄)」、淡紅色の「フゲンゾウ(普賢象)」や「ヨウキヒ(楊貴妃)」など珍しいサクラが見ごろを迎えています。
多摩森林科学園は約8ヘクタールの桜の保存林で、日本全国からさまざまな桜を集め、品種の分類などに関する研究を行っています。保存林は一般に公開しており、ここ数年は毎年約3万人が来園し、桜を楽しんでいます。 来場者に人気だったギョイコウは、緑色のふわふわした質感の花びらが特徴的。木の前に立ち止まり、緑色の花を見つめて「きれい」とつぶやく人や、熱心にカメラのシャッターを切る人の姿が見られました。 淡い黄色の花びらが可憐な印象を与える「ウコン(鬱金)」を目当てに訪れる人も。荒川区の60代パート女性は「今日はたっぷりウコンが観れてよかった」と満足げに話していました。 保存林は山の中にあり、斜面に目を向けると、白やピンクの色の花をつけたさまざまな桜が視界に入ります。木々の新緑も目に鮮やかで、耳をすますとホーホケキョ、と鳴くウグイスなど野鳥の声も。
休日を利用して妻(26)とともに訪れた八王子市在住の小売店従業員(26)は「リフレッシュできました」と話し、横から妻も「空気もいいですね」と笑顔で応じます。山の中なので坂道もありますが、八王子市の主婦(80)は「だからいいのよ。家に着いたら良くねむれるから」と朗らかに笑っていました。 同園へは、JR中央線高尾駅から徒歩約10分。入園時間は4月のみ午前9時(その他の月は午前9時30分)から午後3時30分までで、午後4時閉門。入園料は4月のみ大人400円、子ども(高校生まで)が150円。 (取材・文:具志堅浩二)