クライマックスシリーズ 広島の下克上はあるのか?
高代延博氏「広島の今の打線ならば、突破口を開く」
阪神の来季の内野守備コーチ候補として名前の挙がっている評論家の高代延博氏も、こんな予想をしている。 「冷静に予想をすれば巨人だろう。阪神戦のバリントンにしても序盤はバラバラで甘い失投が多かった。なのに阪神打線は、引っ張り一辺倒。打ち損じて助けていた。巨人打線ならば大量失点していただろう。ミコライオの前を任されている永川についても同じことが言える。決してよくはなかった。巨人打線ならば、つかまっていただろう。“もし巨人ならば”という観点で阪神戦を見ていると、ところどころに広島の弱さも見えた。しかし、広島の勢いには“ひょっとしたら”というものがある。巨人の内海、杉内、菅野の3人の精度も、そう良くはない。広島の今の打線ならば、突破口を開くのではないか。キラが対左投手にどう対応するのか。そして1、2番の出塁率がカギを握ると思う」
助っ人の起用に”野村イズム”
原監督が、要注意と語っていたキラは、打席数が対左投手と対右投手で倍ほど違うので本塁打数や三振数は対右投手が圧倒的に多いのだが、打率は対右投手に・243、対左投手に・289と苦手意識はない。しかも杉内を打率・500とカモにしている。 また、トップを打つ丸の対巨人の出塁率は・350で、野村監督は、「送る場面で送る」というオーソドックスな采配を徹底している。「キラの前にスコアリングポジションに」というチーム戦術はぶれない。 「それとエルドレッドをいつ代えてもいいような使い方をしている。リードすればすぐ守備固めに代えるし、チャンスなら代走もイニング関係なく送るつもりでしょう。そういうコマをひとつ置いているからゲームのリズムが途切れない」 高代氏は、エルドレッドの起用法に“野村イズム”が見え隠れしていると見ている。
マエケンは先発、中継ぎとフル回転か
「マエケンをひとつ先発させれば、おそらく中継ぎでスタンバイさせておくのではないか? マエケンの使い方も勝敗のキーポイント」(高代氏) 前田健太は17日の第2戦登坂が有力だが、その後の起用方も第6戦までもつれこんだ場合に中3日で先発させるのか、それとも中継ぎで使うのかも、野村監督の気になる采配ではある。いずにしろ、掛布氏が予想するように1、2戦の勝い方が、広島の下克上の可能性を大きく左右するものになるだろう。 (文責・本郷陽一/論スポ、アスリートジャーナル)