首相、総裁選に向け行脚スタート 山梨から、自民県連幹部と懇談
岸田文雄首相は29日、甲府市を訪れ、再選に意欲を示す9月の自民党総裁選に向け、党員の支持獲得をにらんだ地方行脚を実質的にスタートさせた。世論調査で人気の高い石破茂元幹事長、河野太郎デジタル相らが総裁選出馬に向けて動きを加速する中、課題となる地方票獲得に本腰を入れる。山梨県を皮切りに地方で政策推進をアピールしていく考えだ。 首相は視察先の山梨県北杜市で記者団に「地方から厳しい声が上がっていることを厳粛に受け止め、これからも現場の声を丁寧に聴く姿勢を大事にしていく」と述べ、地方訪問に意欲を示した。 派閥の政治資金パーティー裏金事件の対応を巡って、地方組織から退陣論を含め厳しい声が相次ぐ。2021年の前回総裁選では、党員・党友による地方票獲得で首相がトップだったのは8県にとどまった。山梨はその一つで、まずは足場を固める思惑がある。 県連幹部との懇談では、冒頭に裏金事件に関し陳謝。給食費無償化などの子育て支援や、農業や観光を巡る地域振興について意見交換したという。