性別役割分担意識 根強く 男性の家事、育児時間伸び悩み 静岡県が共同参画進捗報告
静岡県がまとめた第3次男女共同参画基本計画(計画期間2021~25年度)の進捗(しんちょく)状況によると、男性が家事や育児に関わる時間が伸び悩み、性別役割分担意識が根強く残っている状況が浮き彫りになった。県はジェンダー平等に関する情報発信を強化し、幅広い世代に浸透を図りたいとしている。 県庁でこのほど開かれた県男女共同参画会議(委員長・白井千晶静岡大教授)で県の担当者が報告した。 24年度の県民意識調査で、「男は仕事、女は家事・育児」という性別役割分担意識に否定的な認識を示した男性は60・7%(目標値・25年度80%)で、5年前に比べ1・6ポイント増にとどまった。男性の家事・育児関連時間も3時間1分(同3時間30分)で、11分伸びただけだった。 県男女共同参画課は「性別役割分担意識にとらわれない男性の割合は、10~20代は高い水準にあるものの、依然として男女格差が大きく、行動変容に結びついていない」と分析した。 男性の育児休業の取得率は27・8%(同30%)で、19年度から21・3ポイント増加した。ただ、同会議の委員は「1週間や2週間ではただの休暇になってしまう」と指摘し、取得率を高めるよりも十分な休業期間を確保する必要性を強調した。白井委員長は、国際的に見ても日本の男性が家事や育児に関わる時間が少ないとし、「夫婦で分担するのではなく、いかに共同で行えるかが重要」と述べ、男女格差の解消に向けた啓発やモデル提示などの取り組みが大切と説いた。
静岡新聞社