文系学生に人気の企業ランキング 2位は東京海上日動火災保険、1位はどこ?
将来のことを考え始める高校生にとって、大学生から人気のある企業を知ることは、有益な情報の一つです。いまの大学生に人気のある企業は、親の世代とは大きく変わってきています。2024年卒業見込みの大学生、大学院生を対象にした調査から、文系学生の人気企業の傾向や考えられる理由を探ります。 【ランキング】文系学生に人気企業1~10位を見る
マイナビと日本経済新聞社の「2024年卒大学生就職企業人気ランキング(文系)」は、24年3月卒業見込みの大学3年生と大学院修士課程1年生の計3万1879人(文系男子1万4218人、文系女子1万7661人)を対象にした調査です。調査時期は22年12月1日~23年3月26日。企業のインターンシップが開催され、会社説明会や選考スケジュールの情報収集が始まる期間なので、企業へのイメージや憧れではなく、就活のリアルな動きが反映していると考えられます。 文系の総合ランキングは1位ニトリ、2位東京海上日動火災保険、3位JTBグループと続きます。 ニトリがトップというのは、保護者世代には意外に思われるかもしれませんが、調査結果を分析したマイナビキャリアリサーチラボ主任研究員の宮地太郎さんは「前年も3位に入っており、安定した人気がある」と言います。 「ニトリは家具やインテリア商品の小売りというイメージが強いかもしれませんが、実は業務の幅が広いのが特徴です。商品の企画開発から、材料の仕入れ、製造、物流、IT関連、店舗小売りまでトータルに手掛けています。一般的な小売業とは違い、入社したらさまざまな仕事ができる可能性が広がっていると学生に認識されている点が人気の理由だと考えます」
最大40%賃上げするファーストリテイリングも
ニトリのように、商品の企画から製造、販売まで必要な工程を企業グループ内で行う業務形態は「垂直統合型」と呼ばれます。ユニクロやジーユーを展開する4位のファーストリテイリングも同じ垂直統合型で、海外展開に力を入れている点も共通しています。ファーストリテイリングは23年1月、日本国内の従業員の給与を3月から最大約40%上げると発表しました。同社は声明で「企業としての世界水準での競争力と成長力を強化することを目指す」と説明しています。こうした企業の姿勢が学生の心をつかんだ要素の一つかもしれません。 さらに宮地さんは「インターンシップの内容も学生の人気ランキングに反映されている」と言います。「マイナビ 2024年卒 大学生広報活動開始前の活動調査」によると、インターンシップに実際に参加したことがある学生は81.8%、平均参加社数は5.2社と、多くの学生がインターンシップに参加しています。 「ニトリのインターンシップは毎年平均3万人以上が参加し、学生から多くの支持を得ています。22年に実施した同社のインターンシッププログラムは、『第6回学生が選ぶキャリアデザインプログラムアワード』でも入賞しています」(宮地さん) ニトリのインターンシッププログラムは、ヒット商品の企画を疑似体験できたり、商品開発や新規事業に関わっている社員に対して提案を行い、社員からフィードバックをもらえたりします。これらの点が、「仕事だけではなく、大学の学習に生かすことができる模範プログラム」と評価されました。