ミュージカル「キャバレー」より。（photo by Mason Poole）

2023-2024シーズンのトニー賞候補作・候補者が発表される4月30日に向け、アメリカ・ニューヨークのブロードウェイでは盛り上がりも最高潮に。4月中旬以降は、ヒラリー・クリントンとマララ・ユスフザイが共同プロデューサーを務め、婦人参政権運動の歴史を描いたミュージカル「サフス」や、ウィル・バトラー、アリシア・キーズらミュージシャンが参加する作品、イギリス発のプロダクションで、エディ・レッドメインがMC役でローレンス・オリヴィエ賞に輝いたミュージカル「キャバレー」といった華やかな作品が劇場街をにぎわせる。 【動画】「Suffs The Musical」PV（他6件） ■ ミュージカル「ウィズ」 The Wiz 2024年4月17日（水）～ マーキース劇場 脚本：ウィリアム・F・ブラウン 作詞作曲：チャーリー・スモールズ 改訂脚本：アンバー・ラフィン 演出：シェーレ・ウィリアムズ 振付：ジャケル・ナイト 出演：ニシェル・ルイス、ウェイン・ブレイディ、デボラ・コックス、メロディー・A・ベッツ、カイル・ラマー・フリーマン、フィリップ・ジョンソン・リチャードソン、エイブリー・ウィルソン 児童書「オズの魔法使い」のアフリカ系アメリカ人版として1975年にブロードウェイで初演され、1978年にはダイアナ・ロスやマイケル・ジャクソンらの出演で映画化された作品。ソウルフルな音楽に彩られた本作で、今回ドロシー役を演じるのは24歳のニシェル・ルイス。ウィズ役をウェイン・ブレイディ、グリンダ役をR&B歌手のデボラ・コックス、ライオン役をカイル・ラマー・フリーマン、ブリキ男役をフィリップ・ジョンソン・リチャードソン、カカシ役をエイブリー・ウィルソンが務める。 ■ ミュージカル「サフス」 Suffs 2024年4月18日（木）～ ミュージック・ボックス劇場 脚本・作詞作曲：シャイナ・タウブ 演出：リー・シルバーマン 振付：マイテ・ナタリオ 出演：キム・ブランク、アリー・ボニーノ、シララ・ブロック、ジェン・コレラ、ハンナ・クルズ、ナディア・ダンダシ、ライラ・エリカ・ドリュー、ニッキ・M・ジェームズ、ジェイジー・マカプガイ、アナスタシア・マクレスキー、グレース・マクレーン、エミリー・スキナー、シャイナ・タウブ ソングライターで俳優のシャイナ・タウブが脚本・作詞作曲し、自らも出演するミュージカル。2022年にオフブロードウェイで上演された作品がオン入りする。1920年にアメリカで白人女性の婦人参政権が認められた史実をもとに、婦人参政権運動を率いた女性たちの心理に迫る。2014年のミュージカル「ヴァイオレット」でトニー賞候補に挙がったリー・シルバーマンが演出を手がける。 ■ 「ステレオフォニック」 Stereophonic 2024年4月19日（金）～ ジョンゴールデン劇場 脚本：デイビット・アジミ 楽曲：ウィル・バトラー 演出：ダニエル・オーキン 出演：ウィル・ブリル、アンドリュー・R・バトラー、ジュリアナ・キャンフィールド、イーライ・ゲルブ、トム・ペシンカ、サラ・ピジョン、クリス・スタック カナダのバンド、アーケイド・ファイアの元フロントマン、ウィル・バトラーが楽曲を書き下ろした音楽劇。劇中では、1976年の音楽スタジオを舞台に、新進気鋭のロックバンドが新アルバムを制作する様子が描かれる。ダニエル・フィッシュ演出版のミュージカル「オクラホマ！」に出演したウィル・ブリルがキャスティングされている。演出はダニエル・オーキン。 ■ ミュージカル「ヘルズキッチン」 Hell's Kitchen 2024年4月20日（土）～ シューバート劇場 作詞作曲：アリシア・キーズ 脚本：クリストファー・ディアス 演出：マイケル・グライフ 振付：カミーユ・A・ブラウン 出演：ショシャナ・ビーン、ブランドン・ビクター・ディクソン、ケシア・ルイス、クリス・リー、マレア・ジョイ・ムーン、チャド・カースターフェン アリシア・キーズが自身の実話をもとに、作詞作曲を手がける新作ミュージカル。劇中では、17歳のアリと、アリが恋をするバケツドラマー、そして娘に同じ過ちをさせないように目を光らせる母親の物語が展開する。キーズが舞台制作に関わるのは、2011年のストレートプレイ「スティック・フライ」に続き本作が2作目。今作では、自身のヒット曲が全編を彩る。本作で本格的な俳優デビューを果たしたマレア・ジョイ・ムーンが主演を務める。 ■ ミュージカル「キャバレー」 Cabaret at the Kit Kat Club 2024年4月21日（日）～ オーガスト・ウィルソン劇場 脚本：ジョー・マスタロフ 作詞：フレッド・エッブ 作曲：ジョン・カンダー 演出：レベッカ・フラックネル 振付：ジュリア・チェン 出演：エディ・レッドメイン、ガイル・ランキン、ビビ・ニューワース、アトー・ブランクソン＝ウッド、スティーブン・スカイベル、ヘンリー・ゴットフリート、ナターシャ・ディアス、ガビ・カンポ、アイラ・チコーネ・ブラウン 劇場の入口からステージ上までをナイトクラブ仕様に仕立てた世界観作りで話題となり、2022年のオリヴィエ賞7冠を達成したレベッカ・フラックネル演出によるミュージカル「キャバレー」が、ブロードウェイに登場する。同賞ミュージカル部門の主演男優賞を獲得したエディ・レッドメインがMC役を続投。また、Netflixシリーズ「GLOW」のシーラ役で知られるガイル・ランキンが歌姫サリー・ボウルズ役で参加し、注目が集まる。 ■ ミュージカル「ザ・ハート・オブ・ロックンロール」 The Heart of Rock and Roll 2024年4月22日（月）～ ジェームズ・アール・ジョーンズ劇場 楽曲：ヒューイ・ルイス＆ザ・ニュース 脚本：ジョナサン・A・エイブラムス ストーリー：タイラー・ミッチェル、ジョナサン・A・エイブラムス 演出：ゴードン・グリーンバーグ 振付：ローリン・ラタロ 出演：コーリー・コット、マッケンジー・カーツ、ジョッシュ・ブリッケンリッジ、F・マイケル・ヘイニー、ゾーイ・ジェンセン、タミカ・ローレンス、レイモンド・J・リー、ジョン・マイケル・ライルズ、オービル・メンドーザ、ビリー・ハーリガン・タイ 映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の主題歌「パワー・オブ・ラブ」で知られ、1980年代のアメリカ音楽界を席巻したロックバンド、ヒューイ・ルイス＆ザ・ニュースの楽曲で紡ぐミュージカル。2018年にアメリカ・カリフォルニアのサンディエゴで初演された作品がニューヨークへ。舞台は1987年。売れないロックスターのボビーは、夢を諦め、会社員として就職した先で、社長令嬢のカサンドラに恋をする。ロビーとカサンドラはお互いに励まし合い、それぞれの夢を追うことにして……。ボビー役をコーリー・コットが、カサンドラ役をマッケンジー・カーツが演じる。 ※初出時、本文に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。