ドイツ発の被爆証言アニメに反響 「OBON」動画サイトで47万回再生 広島で被爆の高蔵さん肉声流れる
広島の爆心地から260メートルの近距離で被爆した高蔵信子(あきこ)さん(2020年に94歳で死去)の証言を基に制作されたドイツの短編アニメ映画「OBON(お盆)」が海外で注目されている。昨春、ニューヨーク・タイムズがコンテンツを購入し動画サイト「YouTube」で公開。47万回以上が再生されている。 【写真】涙でくもったファインダー 原爆投下の8月6日とらえた5枚だけの写真 19歳だった高蔵さんは、勤め先の芸備銀行(現広島銀行)本店で被爆した。約15分の本作では、被爆体験や厳格だった父の思い出を語る高蔵さんの肉声が流れる。爆心地付近で目にした凄絶な光景だけでなく、家族の絆なども描く。 ドイツ人プロデューサーのアンドレ・ヘアマンさん(48)とロシア出身のアニメーター、アンナ・サモさん(44)の共同制作。12年に高蔵さんの証言を聞き、6年かけて完成させた。動画サイトに「次世代と共有すべきだ」など約1500件のコメントが寄せられた。 制作に協力した広島フィルム・コミッションの西崎智子さんは「作品は高蔵さんのオーラル・ヒストリー(口述記録)だ。父娘の何気ない会話を入れるなど海外の視点も参考になる」と話す。
中国新聞社