海底噴火に驚愕!次はどこで…火山と暮らす街の不安 噴火の影響が予想される範囲を拡大 静岡
静岡県伊東市は火山活動で出来た絶景や温泉が人気の観光地だ。ただ、35年前に海底火山が噴火し、今後も街のどこかで噴火する恐れがある。伊東市は噴火による影響範囲を従来よりも広く想定し避難計画を見直した。これにより、最大で市民の7割が市外に脱出しなければならない。 海底噴火に驚愕!次はどこで…火山と暮らす街の不安 噴火の影響範囲を拡大
火山の恵みで人気観光地に
静岡県伊東市は大室山や城ケ崎海岸など豊かな自然に恵まれている。 大室山は約4000年前に活動した標高580mの伊豆半島最大の単成火山で、山体はほぼ原形を留めている。直径250mの噴火口がある山頂には麓からリフトで登れ、富士山や相模湾を望みながら噴火口の周囲を散策することができる。
大室山の噴火で溶岩が海岸に流出し多くの岬を作り、波の浸食で数十mの絶壁ができた。これが城ケ崎海岸だ。眼下に海を臨むつり橋がかかり、スリル満点のハイキングが楽しめる。 火山活動の爪跡は両方とも今では観光名所となっている。
大室山を含む地域は「伊豆東部火山群」と呼ばれている。 噴火のたびに火口の場所を変える小さな火山の集まりだ。ひとつひとつの火口は噴火を終えているが、今後も火口が分布する範囲のどこかで噴火するおそれがある。
噴火後に作成した避難計画を見直し
1989年7月、伊東市沖 約3kmの海底で約2700年ぶりに火山が噴火した。1978年以降、伊東市の沿岸から沖合にかけての領域で繰り返しマグマの上昇が起こり、これに伴う群発的な地震活動が発生していた。
1989年の海底噴火は直接的な被害はなかった。 ただ、伊東市は噴火への備えが不十分だったことから、2015年、伊豆東部火山群に備えた避難計画を策定し避難訓練も行っている。
しかし、2024年3月、伊東市はこれまでの避難計画を大きく修正した。 影響範囲を見直し、従来よりも広範囲にしたことにより、市内の避難対象者数が大幅に増加した。 これまでの避難計画では最大で約3万8000人の市民が市内の避難所に徒歩で避難する計画だった。しかし、噴火による影響が広い範囲に及ぶことがわかり、最大で約4万6000人の避難が必要となった。市の人口の約7割だ。これは市民だけで、観光客を除いた数となっている。