コロナ禍乗り越え県都の繁華街回復基調、自衛隊基地でにぎわう町も…基準地価から見える活況 天文館5年ぶり上昇、「馬毛島」需要で西之表は伸び率トップ
鹿児島県は17日、7月1日時点の基準地価を発表した。鹿児島市の商業地は変動率の平均が前年比プラス1.0%となり、3年連続の上昇。新型コロナウイルス禍からの回復で、飲食店が多い天文館地区がプラス0.8%と5年ぶりに上昇に転じた。県全体では、住宅地などを含む「全用途」で33年連続のマイナスとなったが、下落幅は0.2ポイント縮小し1.0%だった。 【写真】商業地、住宅地を含め鹿児島県内で最も上昇幅が大きかった西之表市鴨女町86付近=17日
西之表市は、市内唯一の商業地調査地点である鴨女町がプラス6.8%と2年連続で上がった。県内トップの伸び率で、作業員が増えている馬毛島の自衛隊基地建設工事の影響が大きい。1平方メートル当たりの価格は3万9500円。 天文館の商業地は、コロナ禍で2020年から下落が続いていたが、にぎわいが回復基調にある。西千石町は1.3%、松原町は1.2%、東千石町は1.0%上がった。山之口町は前年と横ばいで、マイナスを脱した。 県内の商業地で最も高かったのは7年連続で「鹿児島市東千石町14の3」(住居表示は14の4)。1平方メートル当たり103万円だった。一方、県平均は8万1600円(前年比600円増)。変動率の平均はマイナス1.0%で下げ幅は0.3ポイント縮小したものの、33年連続のマイナスを記録した。前年と比べて上昇地点は25から31に増え、下落地点は68から63に減った。横ばいは10地点あった。
住宅地の県平均は2万7800円(前年比200円増)で変動率の平均はマイナス1.1%。下げ幅が0.1ポイント減少したものの、27年連続でマイナスだった。 鹿児島市の住宅地は、プラス0.5%で2年連続上がった。 調査は住宅地293、商業地105、工業地5、宅地見込み地3、林地14。林地を除く全用途の平均価格は4万1700円だった。
南日本新聞 | 鹿児島