「オカモト」「相模ゴム」の株価が上昇中 トランプ新政権下で「コンドーム」の需要が増えるかもしれない理由
来年1月20日、2度目のトランプ政権がスタートする。選挙戦を通してトランプ氏が主張してきたさまざまな政策は、日本の株式市場をどのように動かすのだろう。「日本版トランプ銘柄」を探してみた。 【写真をみる】ド迫力の“むっちりボディ”でコンドームを手に…「サガミオリジナル宣伝大使」がスゴい
さっそくビットコインが急上昇
「日本経済にインパクトを与えるトランプ氏の政策といえば、まず化石燃料の増産でしょう」 とは、第一生命経済研究所の首席エコノミスト・永濱利廣氏だ。たしかに選挙期間中、トランプ氏は「ドリル・ベイビー・ドリル(石油をドンドン掘れ)!」と繰り返し叫んでいた。 「これはインフレ対策でもあり、増産による価格低下が進めば、石油やガスを大量に使う企業が有利になる。日本でも電力や運輸といった業種が恩恵を受けるでしょう」(同) 次に仮想通貨はどうか。トランプ氏はビットコインを政府準備資産に組み入れることを公約している。当選が決まってさっそくビットコインなど仮想通貨が大きく値上がりしているが、インフィニティのチーフエコノミスト・田代秀敏氏によると、 「ビットコインはインフレから資産を守る投資先として認知されつつあります。日本ではマネックスグループやSBIHDといった、仮想通貨取引所を傘下に置く金融企業がありますが、これらの株を買うよりも、直接ビットコインに投資したほうがいいかもしれません」
なぜコンドーム?
懸念材料もある。前回の政権でもそうだったが、トランプ氏は中国製品に対する関税を大幅に引き上げると宣言しており(60%)、そればかりか、中国以外の国からの輸入品にも一律10~20%の関税をかけると主張しているのだ。 ファイナンシャルプランナーの深野康彦氏が言う。 「10~20%の関税が実現したら、北米の売り上げ比率が高い自動車メーカーは大打撃です。また、中国に対する関税引き上げは、半導体関連の銘柄を巻き込むでしょう」 意外な銘柄が人気になる可能性もある。 大統領選と並行して実施された連邦議会選挙では、共和党が上下院ともに過半数を獲得。同党は妊娠後期の中絶に反対すると政策綱領に盛り込んでおり、これがどのような形で実現するか注目されている。 「人工中絶が規制されるとコンドームの需要が増える可能性がある。あまり知られていませんが、日本製のコンドームは毎年輸出額が増えており、米国向けは12.5%を占めているのです」(証券会社幹部) コンドームの大手といえばオカモトと相模ゴム。両銘柄ともすでに値上がりを始めている。
「週刊新潮」2024年11月21日号 掲載
新潮社