果たして西武はソフトバンクを上回れるか【2024年版戦力診断】
来る2024年シーズン、西武とソフトバンクの対戦カードは熱く盛り上がりそうだ。 西武からは主砲・山川穂高がFA権を行使しソフトバンクに移籍、替わって人的補償で加わったのが160キロ右腕として知られる甲斐野央。甲斐野はチーム課題であった守護神候補として活躍が期待されている。 まず西武としては山川含め、アダム・ウォーカーなども加わった強力ソフトバンク打線を投手陣がどう抑えていくかが注目となりそうだ。 昨年はセットアッパーだった平良海馬が先発転向したことも話題を呼んだ。その平良は転向1年目にして23試合に登板して11勝(7敗)、防御率2・40とあっという間にチームの勝ち頭に上り詰めると、続くのが10勝(8敗)をマークした右腕エースの高橋光成、今井達也も10勝(5敗)と先発3本柱がそろって2桁勝利に到達、プロ2年目のドラ1左腕・隅田知一郎も昨年は9勝(10敗)とこの4人だけで40勝と安定したパフォーマンスを残した。 さらにこの充実の布陣に今シーズンは即戦力の呼び声高いドラフト1位左腕・武内夏暉(22=国学院大)も加入。侍ジャパンに選ばれたこともあるサブマリン右腕の与座海人も控えるなど、分厚い投手力が今季もチームのストロングポイントとなりそうだ。 一方で昨シーズン山川を欠いた打線は爆発力に欠け、チーム打率はリーグ5位(・233)、チーム本塁打(90本)はリーグワーストに沈んだ。かつての本塁打王、中村剛也がチームトップの17本塁打をマークしたが、他球団が怖がる山賊打線復活のためには打者の奮起が欠かせない。 その意味ではプロ2年目を迎える蛭間拓哉も注目の存在となる。ルーキーイヤーの昨年は6月以降、一軍に定着、一時は3番も務めるなど、56試合に出場して打率・232、2本塁打、20打点と才能の片りんを見せた。チームを押し上げる打撃とクリーンアップに定着できるか。 さらに新外国人のヘスス・アギラー(前アスレチックス=33)も山川の穴を埋める右の大砲候補として期待が高まっている。身長192センチ、体重125キロと恵まれた体格でメジャー通算114本塁打を放った大型スラッガー。 左打ちの外野手として獲得したメジャー通算27本塁打のフランチー・コルデロ(前ヤンキース=29)とともに左右の長距離砲が期待通りに爆発力を発揮すれば、安定した投手力を持つだけに十分優勝争いも狙えそうだ。 近年のパ・リーグはオリックスがリーグ3連覇を達成、安定した投手力を持つチームが上位にあがってくる傾向もあり、西武も課題の打線に目途がつけば、投手力を課題とするソフトバンクよりシーズンで上回ることは十分ありえる。 両球団の2024シーズン初対戦は西武がソフトバンクを本拠地ベルーナドームに迎えて4月12日からの3連戦となる。果たしてどんな戦いをくり広げるか、様々なポイントで注目となりそうだ。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]